日本復活に「経済政策」は不要どころか、逆効果だ
■「社会基盤である地方」の強化に必要なこと (6)地方創生ではなく、地方の止血をする。詳細を議論する余裕がないが、地方が社会基盤であり、さまざまな地方の人材が東京などの都市部に集まって、多様な人材となって、日本の活力を維持している。全員が東京出身の子供たち、学生たち、労働者、経営者になったら、日本の活力はなくなる。地方は社会インフラなのだ。 個人的には、地方国立大学の支援を強化し、さらに地方の高等専門学校を拡大し、分野を農林水産業、サービス業に拡大し、さらに、都市部の大学院やビジネススクールと提携して、人材、産業の基盤とする必要があると思う。極論だが(そして、現在の私の立場も危うくなるかもしれないが)、私立学校への政府の補助は一切やめて、すべて地方国立大学と地方の高等専門学校にその資金を集中投下するべきと考える。
長くなってしまったが、要は、目先の現金支援でその場しのぎを続けるのではなく、社会インフラを整備すること、それもソフトインフラを整備することが政府の役割であり、それで初めて経済発展は実現すると考える(本論はここで終了です。この後は、競馬好きの筆者が週末のレース予想や競馬論などを語るコーナーです。あらかじめご了承ください)。 競馬である。 11月1日と2日(現地時間)は、アメリカの競馬で年に一度の祭典、「ブリーダーズカップ」が開催される。1日目は2歳馬のG1、2日目は3歳馬以上が対象のG1が行われる。
今年は、西海岸のカリフォルニア州サンディエゴにある「デルマー競馬場」で開催される。前回のデルマー開催(2021年)時には「ブリーダーズカップ(BC)ディスタフ」(ダート1800メートル)で、矢作芳人厩舎のマルシュロレーヌが勝ったこともあり、日本馬が複数のレースに大挙参戦することとなった。 ■BCクラシックに出走するフォーエバーヤングに注目 これは正しい流れで、欧州競馬を範にしてきたJRA(日本中央競馬会)競馬ではあるが、レースの質からいうとアメリカの競馬のほうが、親和性が高い。それはダート中心、芝中心ということを超えて、レースで要求される要素がより似ているということであり、輸送と時差さえ克服できれば、欧州でよりも、より成功する可能性があるだろう。
もちろん注目は、最大のレース、「BCクラシック」(ダート2000メートル)に出走する、ケンタッキーダービー3着惜敗のフォーエバーヤングだ。 これまた矢作厩舎だが、あいにく最悪の枠である1番枠に入ってしまった。だが、ここは開き直って、はやめに出していって、番手(先頭馬の後ろの2番手)で競馬して、押し切る、というレースを期待したい。ほかの馬も含めて全力で応援したい。 ※ 次回の筆者はかんべえ(吉崎達彦)さんで、掲載は11月9日(土)の予定です(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
小幡 績 :慶応義塾大学大学院教授