日本版GPS「みちびき」、11基体制に拡充…政府が宇宙基本計画の工程表改訂
政府の宇宙開発戦略本部(本部長・石破首相)は、宇宙基本計画の工程表を改訂し、日本版の全地球測位システム(GPS)と呼ばれる測位衛星「みちびき」を将来的に計11基体制に拡充するなど、新たな目標を盛り込んだ。 【図】一目でわかる…H3ロケットの打ち上げ数を増やす主な対策
内閣府が整備を進めているみちびきは現在4基で運用中だが、米国が運用するGPSの測位データがないと高精度な位置情報が取得できない。このため政府は、日本独自の衛星網だけで位置情報を取得できる7基体制での運用を目指している。
毎年末に改訂される工程表には今回、衛星の故障などに備え、将来的に11基体制での運用を目指して、みちびきの開発を進めると明記。設計寿命が迫る3号機の後継機と、新規開発する8号機を2031年度に打ち上げる計画を盛り込んだ。
また、29年に地球へ最接近する小惑星「アポフィス」(直径340メートル)の国際探査への参加を検討するとした目標も追加した。地球に衝突しそうな小天体に探査機をぶつけて軌道を変える「プラネタリー・ディフェンス(地球防衛)」の研究を進める方針だ。