アギーレジャパンの多国籍コーチ陣をカバーする2人通訳制
ハビエル・アギーレ新監督に率いられた新生日本代表が1日、北海道の札幌市内で始動した。午後4時からスタートした初練習を前にして、首脳陣と選手、そしてスタッフを含めた全員がセンターサークルに沿うように円状になって集合。アギーレ監督が母国メキシコの公用語であるスペイン語で第一声を発した。「アジアカップで優勝するために、今日から頑張っていこう」。 招集された23人のうち、週末に試合のあったFW本田圭佑(ACミラン)、DF長友佑都(インテル)、GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)ら7人のヨーロッパ組は帰国途上にあるために不在。MF長谷部誠(フランクフルト)も左ひざの違和感を訴えて別メニューとなった中で、初日は約1時間半にわたって体幹トレーニングや有酸素運動などのリカバリーメニューが組まれた。 汗ばむほどの快晴に恵まれたピッチの上で、青いスパイクに短パン、そして帽子を深くかぶって練習を見守るアギーレ監督の傍らには、スキンヘッドとあごひげが特徴的な通訳の羽生直行氏がまるで影武者のように寄り添っている。何しろアギーレ監督はよくしゃべる。選手はもちろんのこと、コーチ陣やドクター、トレーナー、用具係のスタッフらと分け隔てなく、ピッチの上で頻繁にコミュニケーションを取る。アギーレ監督自身、このように公言してはばからない。「選手たちに声をかけて、冗談を言うのは私のスタイルなのでね」。 必然的に通訳は常に間近にいなければならない。例えば練習の最後に組まれたフットバレー。選手が3人1組となってバレーボール形式でスコアを競い合う、レクリエーション的な要素も兼ねたメニューで、アギーレ監督は西川周作(浦和レッズ)、林彰洋(サガン鳥栖)の両GKとリカルド・ロペスGKコーチを組ませた上で、対戦相手に笑顔でこう話しかけている。「GKチームに負けたら、即帰ってもらうぞ」。実際にGKチームと対戦していたDF吉田麻也(サウサンプトン)が、苦笑いしながら振り返る。「自分からボケるというか、ギャグが好きなんだ、ということがわかりました。気難しいのかなと思っていたんですけど、やはりラテン系ということで、けっこうフランクなんだという感じは受けましたね」。