年齢による髪の悩みには「黒きくらげとひじきと黒ごまの煮物」【身近な食材だけの簡単「薬膳」で不調を改善!⑧】
40歳を過ぎた頃から、白髪が増えたり、髪にコシやボリュームがなくなるといった、髪の悩みが増えてくる。少しでもそんなトラブルを予防するためには、どんなものを食べたらいいのだろうか? 薬膳料理研究家の谷口ももよさんに提案してもらった。
血を補いきれいにする黒い食材で作り置きおかず
鏡を見るたびに、白髪の量が増えた、髪にコシがなくなってぺたんとしてしまう、ツヤがなくなったということはないだろうか? 「漢方では髪は『血余(けつよ)』といい、栄養や潤いを運ぶ血(けつ)が全身を巡った余りが髪に届くと考えられています。このことから、髪のトラブルは血が不足しているか、流れが悪くなっている状態ととらえます。 またエネルギーを蓄える『腎(じん)』、血を蓄える『肝(かん)』の働きが弱まると、髪のトラブルにつながるといわれています。逆にいうと、髪にはこの腎や肝の状態が反映されます。 例えば、ストレスが多いと血の滞る『血瘀(けつお)』の状態に、暴飲暴食などの不摂生をしていると『湿熱(しつねつ)』という、余分な湿気や熱が停滞する状態になります。髪に必要な栄養が不足している『気血両虚(きけつりょうきょ)」は、胃腸が弱く、消化不良や消化吸収力が弱くてエネルギーを作り出せない状態です。 こうしたことが、白髪や脱毛、髪にツヤやボリュームがなくなるなどのトラブルにつながります」(谷口さん) 生活習慣に問題がある場合は、それを改めることが重要だ。その一方で、積極的に食べるといい食材はどんなものがあるのだろうか? 「髪の健康を保つためには、黒いものがおすすめです。黒ごま、黒豆、黒米、ひじき、昆布、わかめ、黒きくらげなどです。これらはホルモンバランスをつかさどる腎を高め、血を補い、腎液(じんえき)を活性化してくれます。 今回はこの中でも、黒ごまとひじき、黒きくらげといった黒い食材を使った煮物を紹介します。 黒きくらげは常備している家庭は少ないかもしれませんが、ミネラルが豊富で血をきれいにしてくれる、薬膳に欠かせない食材のひとつ。乾燥のものなら保存が利くのでこれを機に常備食材に入れてみてはいかがでしょうか? これに、血を補い、髪に潤いを与える黒ごまとひじきを合わせます。にんじんは彩りを添えてくれるだけでなく、これらの食材のミネラル分、特に鉄分の吸収を高めてくれる働きもあります」