「怖く見えるけど、めっちゃ優しい」上田桃子が38歳でツアー活動休止…記者が明かす“負けず嫌いな上田”が泣いた日「声をかけづらい選手だったが…」
記者を寄せ付けなかった集中力とオーラ
思い返せば、取材する側からすれば、とても“声をかけづらい”選手だった。練習ラウンドの日は、合間に選手たちに声がけができるのだが、上田の集中力と練習後のオーラから、声をかけられなかったのは一度や二度ではない。 それでも囲みや個別取材、競技者としては最後となった今回の会見で出てくる言葉の一つ一つに重みあがり、グッと引き込まれる。 「明日からゴルフのことを考えない時間が来るんだなというのが、自分の中ではかなり非現実的です。20年、毎日、休んでいるときもゴルフを考えて生活してきたので、それがないんだなという寂しさはあります」 プロゴルファーとしてもアスリートとしても、女子ゴルフ界屈指のプロフェッショナルの鑑と言っても過言ではない。38歳になっても四六時中、ゴルフのことばかり考えていたと聞けば、あまり心が休まる場はなかったのではないかとも思ってしまうが、2021年には結婚もして、公私ともに充実した毎日を送っている。年を重ねても勝ち続けているだけでなく、人間的な魅力が多くの後輩たちを惹きつけている。 上田の最後のラウンドとなった大会2日目に同組で回った小祝さくらは、こんな気持ちでプレーしていた。 「ハグした時に『これからも頑張ってね』という一言で、引退をするという実感がわいてきて、すごく悲しくなっちゃって。でも、みんなで見送ることができてうれしかったです。最後は(プレーを)目に焼き付けようということだけを考えていました」 ツアー通算2勝の河本結は、17年前に上田のプレーを見て憧れを抱き、プロゴルファーを目指した。 「かっこいい。私もこうなりたい。桃子さんのようなファンを魅了させるプレーがしたい」 2年連続年間女王の山下美夢有も、上田のゴルフに懸ける強い思いと背中を見続けてきた。 「20年間、同じことを続けるというのは本当にすごいこと。上田さんみたいになりたいなという気持ちも持っていました。もう会場で会えないのは寂しいですが、私自身ももっとがんばっていい報告ができるように頑張りたい」 今季の年間女王・竹田麗央は、上田と同郷の熊本県出身。上田の初優勝した『ライフカードレディス』と竹田が初優勝した『KKT杯バンテリンレディス』の会場が同じ熊本空港カントリークラブだったこと、さらに竹田が日本開催の米ツアー『TOTOジャパンクラシック』で優勝してアメリカ行きというルートも上田と同じ。歳は離れているが、「縁を感じていた」ことを手紙にしたためて手渡したという。 「私が子どもの頃からテレビで見ていた選手ですし、熊本の試合も見に行っていたので、いつになっても格好いいなと思います。桃子さんに比べたら、自分は成績もまだまだ。来年はアメリカでプレーをしますが、しっかりと自信をもって頑張りたい」 全盛期に同世代のライバルとしてしのぎを削ってきた横峯さくら。年齢は横峯のほうが1つ上だが、やはり特別な思いを抱いていた。 「ジュニアの頃から一緒にやってきて、お互いプロになってこうして女子ゴルフ界を盛り上げることができてすごくうれしい。試合会場にいるのが当たり前だったのに、これからは少し寂しくなる気持ちもありますが、第二のステップがどんな形であれ応援したいです。ももちゃんのがんばりが刺激にもなって、励みにもなったりしてた時期もありますし、今もそうです。本当に出会えたことに感謝しています」
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