闇営業騒動から5年 カラテカ入江が明かす、どん底のときに救ってくれた「メディアでは報じられていない人」とは
お笑いコンビ・カラテカの入江慎也さん(47)が「闇営業騒動」で芸能界を離れたのは5年前の2019年。現在は清掃会社「ピカピカ」を立ち上げて事業を拡大しているが、自身のX(旧ツイッター)で「本日2024年6月4日は吉本興業契約解除になってから丸五年の日です。自分にとっては一生忘れられない日」と綴るなど、自責の念を持ち続けて生活を送っている。インタビューの【前編】では、コンプレックスを武器に人脈を広げた過去、どん底で悩んでいたときに救ってくれた先輩のことなどについて語ってくれた。 【写真】なつかしい! お笑いコンビ「カラテカ」の2人はこちら * * * ――闇営業騒動から5年の月日が流れました 人生は一寸先が分からないと、つくづく感じます。相方の矢部(太郎)と19年2月に17年ぶりの単独ライブをやったとき、「17年後にまた会いましょう」と言ったけど、4カ月後に吉本興業を契約解除になって、最後のライブになってしまった。「楽しい時間は当たり前じゃない」と痛感しています。 ■矢部の才能がすごくてコンプレックスがあった ――矢部さんとの距離感に変化はありましたか 矢部には今も「認めてもらいたい」という思いがあります。頻繁に連絡を取るわけではないですけど、大事な相方で、ライバルという感覚もあって。大切な存在であることは今も変わりません。 ――入江さんは芸人として活動していたとき、芸能界やアスリートらを中心に豊富な人脈で「友達5000人芸人」というキャッチフレーズをつけられました 矢部の才能がすごくて、先にテレビに出ていたのを見ていてコンプレックスがあったんです。「おれも負けたくない、認められたい」と思ったときに何ができるかと考えて。いろいろな人とコミュニケーションを取ることが好きだったので、人脈を広げたら先輩たちに面白がってもらって。当時は楽しかったというより必死でした。いつ飽きられるか分からない恐怖心もありましたし。
――コミュニケーション能力は昔から高かったんですか あまり意識したことはなかったですけど、ミーハーなんですよ。芸能界に入ったのも、有名人が好きで好奇心旺盛だったから。芸人としてまったく売れていないころから、「この人と話してみたい」という思いで臆さずに話しかけにいきました。あとは、僕は背が小さい(身長158センチ)ことも有利に働いたと思います。 いろいろ人に言われるんですよ。「おまえの顔で背が高かったら嫌いだった」って(笑)。背が小さいとエアコン掃除で届かなかったり、好きなブランドの服のサイズがなかったりと不便なことがあるけど、対人関係ではコンプレックスが武器になる。表現が難しいんですけど、相手からすると僕の背が小さいことで隙が見えて安心できるのかもしれません。 ■今田耕司さんら先輩や後輩たち ――なかには気が合わない人もいると思いますが いますよ。もちろんいます。その場合はスイッチを入れていますね。今も仕事関係で毎日のように会食があるのですが、正直行きたくないと思うときもあります。でも、スイッチを入れて、その人と一緒にいて楽しむポイントを見つける。意外な一面に触れて楽しくなるケースもありますし、なかったら仕事の契約に結びつけようと。ただ、コミュニケーションを取るのが苦手な人もいると思います。無理して人と接する必要はないですが、周りに理解者がいると変わってくるんじゃないですかね。変ないじり方はダメですけど、その人に喜んでもらえる引き出し方をしたら会話が弾んでいく。芸人時代にそのスキルが磨かれたのかもしれません。 ――闇営業騒動が起きてから、この人に救われた、という存在はいらっしゃいますか たくさんいますよ。今も芸人やお世話になった方たちに仕事を頂くなど…。闇営業騒動の後に僕と接するのはリスクがあると思うんです。でも、公私でお世話になっている今田耕司さんをはじめとした先輩や、かわいい後輩たちが変わらずに接してくれます。僕に仕事を頼む必要がないのに、本当にありがたいです。メディアで報じられていない方でもいます。