闇営業騒動から5年 カラテカ入江が明かす、どん底のときに救ってくれた「メディアでは報じられていない人」とは
――どなたか教えていただいてもいいですか 松村邦洋さんです。あの騒動で落ち込んでいた僕に、「ご飯食べてる?」って何度も連絡をしてくれて。お酒も送っていただきました。「どん底でしか見られない景色がある。見ている人は見ているから」と励ましていただいた言葉が今も心に強く残っています。 宮城野親方(元横綱・白鵬)ともあの騒動の後に会食する機会があったのですが、無言で抱きしめてくれて。張りつめていた糸が切れてしまい、号泣してしまいました。ご自宅の清掃の仕事もさせていただいて。あの後に親方の部屋が一時閉鎖したじゃないですか。何も役に立たないかもしれないけど、僕ができることをしたい。松村さんも親方も自分からそうした善意をメディアやSNS上で発信していないんです。そこがすごいなって。偉そうな言い方になりますが、人の気持ちが分かる優しい方だなあとあらためて感じました。 ■一度もゆっくり休んでない ――さまざまな方の助けもあったのでしょうけど、仕事は順調ですか。常に多忙なイメージがあります 今年のお盆も営業活動していましたし、ピカピカを4年前に立ち上げてから一度もゆっくり休んでないんですよね。芸人のときの危機感が続いているというか、何かをしていないと落ち着かない。でも、大変だという意識はないです。仕事をしていて悔しいこと、辛いことはたくさんありますけど、世の中にはもっと大変な仕事をしている方たちがたくさんいますから。お世話になった方たちに恩返しするためにも、必死にやり続けるだけですね。 (聞き手・平尾類) いりえ・しんや/1977年4月8日生まれ。東京都出身。高校の同級生だった矢部太郎と97年にお笑いコンビ「カラテカ」を結成。「友達5000人」というキャッチフレーズや、「アーイエ・オーイエ・オレイリエ! フロムLA!」とラップ調で自己紹介するネタなどで注目され、メディアや舞台に多数出演。人脈を生かし、お笑い芸人やアスリートのセカンドキャリアを支援する「株式会社イリエコネクション」を2015年に設立する。19年に「闇営業騒動」で吉本興業を契約解除に。20年に清掃会社「ピカピカ」を立ち上げ、清掃業や講演活動など幅広く活動している。
平尾類