平井一夫「ダメな上司を持った時にどうするか?」 一番よくないのは不満げな態度を見せること
「人の真価は逆境でこそ明確になる」「人は逆境でこそ成長する」などと、よく言われます。ダメ上司も1つの逆境には違いありませんから、そこで発揮される自分の真価と成長ぶりを周りの人に見せるんだという意識を持って、当面は乗り切りましょう。 渦中にいると永遠に抜け出せないかのように思いがちですが、永遠に続くものはありません。明日は明日の風が吹く。根性論ではなく1つの戦略として、ダメ上司の下でも腐らずにがんばっていれば、いつか何らかの形で報われる日がやって来るでしょう。
■「いい上司」は使い倒せ 逆に、もし、いい上司に当たったら、徹底的に使い倒しましょう。面倒見がよく、話を聞いてくれる。仕事で困ったときや迷ったときには相談に乗ってくれるが、過干渉ではなく適度に任せてくれる。失敗しても一方的に叱責するのではなく、まず、がんばったことを労ったうえで善後策を促し、大いに学ばせてくれる──。 すべて揃った理想的な上司に出会えることは稀かもしれませんが、1つでも、いいところがあれば、その点を「使わせていただきます」という精神で、ありがたく享受する。
「いい上司に当たった。ラッキー」だけでは全然足りません。かなり意識的、戦略的に、その人から吸収できるものはすべて吸収する。それが部下としての自分の務めくらいに思って、上司を使い倒してください。 学べることは、その人から直に教わる仕事のノウハウだけではありません。普段、どういうふうに仕事をしているか。どう目上の人、目下の人、取引先の人たちなどと接しているか。うまくいっているときには何をするか、逆にうまくいっていないときには何をするか。その一挙手一投足があなたにとってのよきお手本ですから、日々、観察することで学べるところもたくさんあるはずです。
■「会社、辞めようかな」と思ったら 仕事は手段、会社は取引相手。どちらも人生の一部にすぎないとはいえ、やはり日々の糧を得るために働くわけですから、重要なものには違いありません。 ときには「この会社、辞めたいな」と思ってしまうこともあると思います。でも、せっかく縁あって働くことになった会社です。ブラック企業、パワハラ上司など病的な状態を除いて、なるべく「辞めずにがんばれる方法」を探ったほうがいいでしょう。