平井一夫「ダメな上司を持った時にどうするか?」 一番よくないのは不満げな態度を見せること
日本を代表する企業・ソニーを襲った経営危機を立て直し、ソニー再生の立役者となった平井一夫氏。会社組織で働く人にとって「上司を選べない」というのは切実な問題です。平井氏の著書『仕事を人生の目的にするな』より、「ダメ上司」を持った時、部下としてどのように働くべきかをご紹介します。 ■「ダメ上司」を持ったときにすべきこと 部下のことをよく見ていて、適切にモチベートしながら仕事を振る。部下に耳を傾け、必要に応じてよき相談相手になりつつ、過干渉はしない。失敗を叱責せず、チャレンジしたことを評価する。
世の中の上司が皆、そんなEQの高い上司だったらいいのですが、残念ながらそうではない。しかも上司を選ぶことは基本的にはできません。そうなると、もし、先ほど挙げたのとは正反対の「EQの低いダメ上司」を持ってしまったらどうするかも考えておいたほうがいいでしょう。パワハラやセクハラは論外ですが、プレイヤーとしては仕事ができても後進の指導にはまったく向いていない、困った上司も多いのです。 「部下は上司を選べない」問題は、会社員として誰かの下で働く限り、常に付いて回る問題です。もっと言えば、生まれ育った時代や社会背景だって選べません。
国の経済がよく、何にでもチャレンジできるような明るい時代に、部下を伸ばすいい上司に恵まれる人もいれば、経済が悪く、先行き不安な暗い時代に、部下の足を引っ張るような悪い上司を持ってしまう人もいるでしょう。 ただ、不運にも悪い上司に当たってしまった場合でも、腐ったらそこでおしまいなのです。厳しいことを言うようですが、腐っていても誰も何もしてくれません。どんな状況においても、あなたのアクションなしに次の扉は開きません。
裏を返せば、あなたさえ「何とか、よりよくしたい」という意欲を失わずにアクションを起こせば、何かしら、あるいは誰かしらの助けで光明が見えてくるものです。人生に後ろ向きになっている間にも、何かできることがある。それを探すこと。「こんな状況だけど、できることはないか?」という方向に、頭と体を動かしましょう。 ■周囲はあなたを「心配と見守りの目で」見ている したがって、ダメな上司を持ってしまったときに一番よくないのは、不満げな表情で働くことです。