サンリオ流アクセス解析! BigQueryなしでも実現、GA4でPDCAの回し方
ゴールの設定と計測タグの設置ができたら、次に重要なのはPDCAを整理することだ。まず、P(計画)については、サイトやビジネスの状況を把握していなければ仮説は立てられず、仮説がなければ施策も見えず、効果検証もできない。適切な仮説を立てるためには、サイト全体を「鳥の目」で捉える視点が有効だ。
たとえば、「問い合わせ」をゴールとするサイトでは、ファネル分析で「サイト表示」「サイト来訪」「サービス詳細閲覧」「フォーム到達」「問い合わせ」などの経路ごとにユーザー数を把握する。特に移行数が大きく減少する部分があれば、「サイトの導線に問題があるのでは?」という仮説が立てられる。
サイト全体や特定領域のユーザーやセッション数をExcelに記録するだけでも十分な分析が可能だ。GA4なら「ページとスクリーン」レポートでページを検索し、ユーザー数を記録すればよい(*このレポートのユーザー数は厳密には「アクティブユーザー」を指すため注意が必要である)。
さらに、GA4の「ファネルデータの探索」機能を使えば、サイト内の流れを可視化できる。 永井氏は「仮説はあてずっぽうではいけない。できるだけ広い視野でデータを見ることで、ユーザーのつまづきポイントをサイト上で発見・把握することが大切」「ページ単位など細かい改善にとらわれると全体の数値が改善しない。時おり、サイト全体のデータに戻りながら施策検討することが大切」と強調した。 そうして全体を見渡して立てた4つの仮説について、それぞれ分析に基づく考察・改善例が紹介された。 ・仮説1:ユーザーとの接点に課題がある ・仮説2:流入元ごとに課題が異なる ・仮説3:ランディングページのどれかに課題がある ・仮説4:サイト導線に課題がある ■ [仮説1] ユーザーとの接点に課題がある? 「ユーザーとの接点に課題がある」つまり、集客する場所が間違っているかもしれない、という仮説のもと参照元や流入元の分析が行われた。一般に、流入元の分析では「検索エンジンから100、デジタル広告から50」といった数値だけに注目しがちだが、適切な参照元からの流入が良質なユーザーをもたらすのは当然だ。 たとえば、永井氏が担当するサンリオの幼児向け英語学習教材「Sanrio English Master」のサイトでは、0歳~8歳からの子を持つ親がターゲットのため、保護者向けアプリやメディアとの相性が良い。