若手中心の「プレミア12」代表メンバー。チーム最年長、“31歳内野手”にかかる期待
10月9日、プレミア12の代表メンバーが発表された。辞退者が相次いでいるものの、ポジティブにとらえれば若手が経験を積む絶好の機会となるはずだ。本記事では、野球著作家のゴジキが「期待する選手」や「呼んでほしかった選手」を紹介したい。
フレッシュなメンバーで挑む形に
今回、チーム最年長は31歳の源田壮亮。つまり、選出されたメンバーは若手が多い。監督を務める井端弘和氏が「非常にバランスがとれたと思う。若い選手に期待をしたい。選んだのはこちらなので、失敗をおそれず思い切ってやってもらいたい」と話しており、若手に期待していることがうかがえる。 おそらく中長期的な視点で代表チームを育成する意図があるのではないか。
経験豊富な甲斐を招集してほしかった
捕手に関しては、レギュラー第一候補だった山本祐大が怪我で長期離脱中。当然ながら代表選出は見送られた。それにより、昨年開催された「アジアプロ野球チャンピオンシップ」に出場した古賀悠斗や坂倉将吾に加え、打力がある佐藤都志也が選出された。 しかし、バランスを考えるとWBCや五輪など、フル代表を経験した選手を選んでもよかっただろう。文字通り“守備の要”にあたるポジションだからこそ、直近の調子よりも実績ベースで選んでも良かったと思う。具体的に挙げるとすれば、ソフトバンクを優勝に導き、東京五輪でも活躍した甲斐拓也。経験豊富であり、仮にベンチメンバーだったとしても安心感を担保してくれる存在だ。
村上&岡本不在の野手陣。キープレイヤーは?
今シーズン二冠王に輝いた村上宗隆は、右足親指の骨折で今大会の招集は見送られた。また、WBCでベストナイン級の活躍を見せた岡本和真も左第五腰椎分離症のため辞退することになった。さらに、アジアプロ野球チャンピオンシップで活躍した万波中世も同じく辞退。 そのため、野手陣は牧秀悟が中心になると予想される。牧の課題は「日本シリーズまで戦い抜いた疲れ」と、「主軸としてのプレッシャーに打ち勝てるか」になりそうだ。余談だが、実績のある山川穂高やこの2年で殻を破った細川成也を選出してほしかった。 その他、メキシコ代表のパトリック・サンドバルがWBCで一番印象に残っていた打者として挙げた源田にも注目したい。サンドバルが「しつこかった」ともらした“嫌らしい打撃”を武器に、アテネ五輪や2006年WBCにおける宮本慎也のような立ち位置でチームを引っ張ってほしいところである。 一方で投手陣は、トップクラスと言っていいだろう。戸郷翔征や大勢、高橋宏斗と言ったWBCを経験した実績組を中心に、アジアプロ野球チャンピオンシップに選ばれた隅田知一郎や早川隆久、横山陸人、清水達也がいる。 強いていうならば、佐々木朗希や宮城大弥、今井達也あたりを選んでもよかったと思える。ただ、実績十分の若手から中堅の投手が不在でも他国と渡り合える実力は充分にあるだろう。