日本の「軽」を変えた「ワゴンR」狭い車内→天井高い「トールワゴン」開拓 鈴木修氏死去
94歳で死去したことが27日明らかになったスズキの鈴木修相談役は、昭和54年発売の「アルト」で軽自動車を日本社会に普及させ、平成5年デビューの「ワゴンR」で「軽トールワゴン」というジャンルを開拓。「狭い車内」から「高い天井」へと軽自動車の概念を変えた。それは現在の「軽スーパーハイトワゴン」ブームへと受け継がれている。 スズキは昭和54年発売のアルト成功後、平成に入って一台の車を世に問うた。ワゴンR。全高を思い切って高く取ることで天井を高くし、「狭い軽自動車」の概念を打ち破る車だった。消費者の低燃費志向の強まりや維持費の安さも相まって人気車種となり、車名別の国内新車販売台数で平成16年から20年まで、普通車・軽自動車を合わせて5年連続トップを独走した。 スズキの成功により、各メーカーは軽自動車の規格の制約内で燃費や室内空間の広さを進化させようと、激しい開発競争を繰り広げ、全高をもっと高くした「スーパーハイトワゴン」が主流に。現在の人気車種、ホンダの「N-BOX(エヌボックス)」やスズキの「スペーシア」などはいずれもこのジャンルとなっている。 スズキは平成9年、ワゴンRの普通車版「ワゴンRワイド」を発売。現在の「ソリオ」の前身となる車で、ソリオのヒットの影響もありトヨタは「ルーミー」を発売。いずれも、大型ワゴンに乗っていた世帯が子供の独立後、ダウンサイジングする車として選ばれている。