【京成杯AH】アスコリピチェーノは斤量がカギに 「前走関屋記念の連対馬」ディオがデータ上優勢
馬場も変わり、大波乱は減ったハンデ戦
それにしてもアスコリピチェーノの登録には驚いた。路線としては秋華賞ではなく、古馬相手のマイル戦線に進むというメッセージは明確になったものの、京成杯AH出走は意外だった。初の中山、ハンデ戦と難しいシチュエーションだ。 【新潟記念2024 推奨馬】単複回収率100%超えデータ2つに該当! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 今夏、ピューロマジックが3歳馬としては重い55.5kgというハンデを嫌って、CBC賞を回避したのは記憶に新しい。ピューロマジックは計算上、56kgでもおかしくなく、実は0.5kg得をしていたわけだが、それでもやっぱり重い。GⅠ馬で前走GⅠ・2着のアスコリピチェーノも厳しいハンデは避けられそうにない。いったい、どうするのか。 それでもここから始動と決めたのは、マイルCSまでのレース間隔を考えてのことだろう。約2カ月半と、一旦緩めて仕上げるには十分すぎる時間を稼げる。 いや、もしかすると、結果と手応え次第ではデルマーのブリーダーズCも視野に入っているのではないか。芝8ハロンのブリーダーズCマイルは3歳馬が結果を出すレースでもある。11月上旬をターゲットにするなら、京成杯AHからの始動も納得できる。 まずは古馬相手に結果を残せるかどうかだ。データは過去10年分を使用する。 1番人気は【4-0-1-5】勝率40.0%、複勝率50.0%。かつては荒れるハンデ戦だったが、サマーマイルシリーズ定着とともに堅い決着も目立ってきた。これは馬場も関係していそうだ。野芝で行われる秋の中山はかつて超高速決着が頻発し、開幕週は逃げ先行が圧倒的だった。人気薄が一発を狙い、先行して残ることもあれば、その意識が厳しいペースを生み、追い込みを誘発し波乱が巻き起こることもあった。 近年は野芝でも馬場造園課が開幕前に馬場をほぐし軟らかくつくるので、速いは速いが超高速というほど速くない。それに伴い極端なイン先行優位にならず、差し馬もペース次第で届くようになった。自然と極端なペースは影を潜め、京成杯AHも脚質不問の真っ向勝負に変わり、大波乱とまではいかなくなってきた。 4番人気以内8勝とイメージほど荒れないものの、10番人気以下【1-4-2-51】勝率1.7%、複勝率12.1%と2、3着は油断できない。さすがは中山のハンデ戦。そう単純には終わらない。 この時期、優位の3歳は【1-1-2-16】勝率5.0%、複勝率20.0%とこのレースではそこまで数字が出ていない。4歳も【1-0-2-22】勝率4.0%、複勝率12.0%と勢いを感じず、5歳が【7-4-3-38】勝率13.5%、複勝率26.9%と結果を残す。6歳も【0-5-3-28】複勝率22.2%なので、ベテランの経験値がトリッキーなコースで生きる。これも極端なスピード比べにならなくなった秋の中山らしいデータだ。