いきなり飛び込んで撃沈…日本企業の「海外展開」、効率よく現地に精通する方法【経営コンサルが解説】
タイプ3:海外に拠点を設け、現地へ商品を販売 タイプ3は、海外に生産拠点または販売拠点を設けて、現地などの顧客に自社の製品を販売するものです。海外市場のなかで、現地のニーズを把握し、それに対応して商品と販路を確保したうえで事業をおこなうものであり、本格的な海外への新規事業展開といえます。 たとえば廃棄物処理装置メーカーのように、海外のある国に「廃棄物を処理したい」といった強いニーズがあり、自社がそのニーズに対応できることが明確な場合は、このような海外展開が可能かもしれません。 しかし多くの場合、現地の市場状況などについて詳しい知見がない状況で、いきなり海外展開するのは現実的に困難です。タイプ1やタイプ2を通じて、現地の状況を把握し、現地でのネットワークを構築したあとに、十分な準備をおこなったうえで実施するのが適切であり、リスクも抑えられると思います。
チャンスを逃さないため、常に海外展開に取り組む姿勢を
それ以外にもさまざまな海外展開のパターンがあります。私自身がお手伝いした企業の例ですが、海外からの留学生などを雇用し、自社の仕事を覚えてもらったあとに、留学生の母国でのネットワークを生かして現地に進出するケースがありました。 また、展示会への出品やビジネスマッチングなどの機会に海外の事業家と知り合い、交流や打ち合わせを重ね、事業化の可能性を確認したうえで現地に進出するケースもありました。 これらのケースは、あらかじめ計画されたものではなく、偶然が重なった結果、海外展開につながったものです。とはいえ、このような可能性もありますので、機会があったときにそれを生かせるよう、積極的に海外展開に取り組む姿勢を常にもつことが必要と思われます。 中野 正也 株式会社グローバル事業開発研究所 代表取締役 ※本記事は『成功率を高める新規事業のつくり方』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
中野 正也