東北被災地の森林保護に収益の一部寄付 愛知の環境調査会社
商品やサービスで得られた収益の一部を、地元や東北地方などの森林保護活動に寄付する取り組みが、愛知県岡崎市で行われている。昨夏開始以降、2016年1月時点で市内の食品製造や美容、住宅施工などを手がける23事業者35商品が対象となり、今後も増える見通しだ。
東北支援の一つのあり方として
東日本大震災で被害が大きかった岩手県陸前高田市や宮城県気仙沼市などの水源となる地域の森林保護活動も支援する。 企画した岡崎市の環境調査会社、グリーンフロント研究所は「森を健康にすることで、海の生態系も保たれ、漁業にもいい影響を与える」と、東北支援の一つのあり方として、参加事業者の増加を図っていく予定だ。 取り組みは「森でつながる東北・岡崎プロジェクト2015」。対象商品やサービスが1つ売れるたびに、支援する地域で森林保護活動をする行政や団体に10円程度を寄付する仕組み。地元岡崎市の水源の額田町や、陸前高田市などの水源である岩手県住田町の森林で、樹木の発育を助けるために一部の木を切る間伐整備などの費用として送る。間伐材は気仙沼市などで建てられる復興住宅の資材に使われている。
復興ボランティア経験で地元企業と取り組み発案
森林を適切な状態に保つことは、漁業にも好影響を与えるという。同社によると、森林から海へ流れる水には、植物の枝や枯れ葉などから作られる栄養素が含まれており、海藻やプランクトンとして生きる植物の栄養源になる。それを魚などの生物が食べて食物連鎖の関係ができて、海の豊かな生態系が築かれる。しかし森林が荒れてしまうと、栄養が海に行き届かなくなり、食物連鎖が崩れる。人が海の恵みを得るには、森林保護も大切というわけだ。 取り組みを進める同社社長の小串重治さん(49)は、陸前高田市で復興ボランティア活動を経験。現地の現状を見ながら環境調査に携わる一人として、地元企業との取り組みを発案。環境省が期限つきで支援する環境貢献型商品としても認められた。住田町にも足を運び、森林や保護活動の様子を見守ってきた。