夏の甲子園優勝予想 気鋭の記者5人が占う波乱の大会の行方 神奈川県勢連覇? 青森県勢初優勝?
菊地高弘氏(ライター)優勝予想:青森山田 大会前に優勝予想に挙げさせてもらった青森山田は、順調に勝ち上がっている。 好球質のエース右腕の関浩一郎、「ドカベン」を彷彿とさせる大砲の原田純希という投打の軸が甲子園でも活躍。ほかにも3番・對馬陸翔、5番・吉川勇大の木製バットコンビ、甲子園で本塁打を放った佐藤洸史郎、将来有望な2年生二塁手・蝦名翔人と球場のムードを変えられる役者が揃っている。 ここまでの勝ち上がり方がいい。まず、初戦は2回戦からのスタートで、1回戦から勝ち上がってくるチームより1試合少なくてすむアドバンテージがある。2回戦の長野日大戦は長野大会無失点の変則左腕・山田羽琉を早々に打ち崩して、9対1と完勝。3回戦の石橋(栃木)戦は2試合連続2ケタ安打となる12安打5得点を奪い、関を温存した末に5対0で快勝している。 エースの関は長野日大戦に9イニングを投げたきりで、しかも要所以外はセーブする省エネ投球だった。今春センバツ以降に急成長し、青森大会で最速152キロを計測した凄味はまだ見せきっていない。体力十分の状態で迎える準々決勝以降、大黒柱の関が覚醒すれば、青森県勢として初の甲子園優勝も見えてくる。 ベスト8に勝ち上がった高校のなかで、事前に優勝争いに絡んでくると予想していたのは青森山田以外では東海大相模(神奈川)、関東一(東東京)、京都国際の3校。そのなかの東海大相模と関東一が準々決勝で対戦することになったが、勝者は有力な優勝候補になりそうだ。 東海大相模は身長198センチ左腕の藤田琉生が甲子園でインパクトを残し、2年生右腕の逸材・福田拓翔らリリーフ陣の層も厚い。打線も2試合連続2ケタ安打と活発だ。対する関東一は「9回が終わるまでに1点でも多くとっていればいい」という試合巧者。1番から9番まで自分が何をすれば勝てるか熟知している選手が並び、3回戦で同じくくせ者の明徳義塾(高知)に競り勝った自信も大きい。関東一が接戦に持ち込んだ時、波乱の展開が待ち受ける予感がする。 「高校野球2024年夏の甲子園」特設ページはこちら>>