アグレッシブな姿勢を貫くことで勝利を呼び込んだブライソン・デシャンボーとメジャーの現場でみた松山英樹の飽くなきゴルフへの情熱【佐藤信人・内藤雄士の全米オープンアフタートーク】
「もはや尊敬の気持ちしかない」松山英樹のゴルフへの情熱
――さて、松山英樹選手の話も聞かせてください。最終日はいい位置でスタートして、優勝もあるかもという期待がありましたが、最終日のプレーをご覧なられていかがでしたか。 佐藤 “凄い”のひと言につきますね。今回は日本人選手が松山選手を含めて6人も出場していて、いずれも力のある選手だったので、期待していたのですが、松山選手以外は予選落ち。その一方で、松山選手が優勝争に加わったということで、改めて彼の凄さを思い知らされましたね。にもかかわらず、インタビューでは悔しそうな表情を浮かべている。「ああ、これが本当の世界のトップ選手なんだろうな」と感じましたね。 内藤 私は火曜日に、清水選手が松山選手、石川遼選手と練習ラウンドを行ったので、松山選手とは会話を交わしたのですが、そのときから前向きにこの試合に向けて取り組んでいるということが伝わってきましたね。コーチとずっとスイングの話をしていて、ゴルフの調子も良さそうでした。練習日は体感温度が高くて、日差しも強く、それでいてコースが難しいから考えることも多く、ハーフが終わった時点でヘトヘトになったんですけど、そんな中でも松山選手は黙々と練習に励んでいる。しかもそういうことを十数年続けているわけですからね。 佐藤 普通20代がピークで、だんだん落ちていきますけどね。 内藤 練習量なんか、年々、増えているんじゃないかと思うくらい。さらに類い希な集中力も持っている。それに付け加え、ゴルフへの情熱も人並み以上のものを持っていて、自分が絶対に上に行くんだっていう強い気持ちも感じられる。もはや尊敬の気持ちしかないですね。 佐藤 それを生で見ることができたというのは大きいですよね。内藤さんは、そんな松山選手の凄さを日本の選手に伝える立場の人だから。 内藤 そばで見ていた清水選手は、体力もあり、練習量も多い選手なんですけど、松山選手の練習に対する取り組み方とか向き合い方みたいなのはすごく勉強になったと思うし、刺激にもなったと思いますね。強いだけでなく、本当にいい影響をいろんな選手に与えてくれる気がします。 ――全米オープンロスがしばらく続くかもしれませんが、7月には全英オープンが行われます。全米オープンに劣らぬ激戦を期待するとともに、日本人選手の活躍にも期待しましょう。 佐藤 全英オープンに向けて、我々もテンションを上げていきましょう(笑)。 内藤 もう1ヶ月後ですね、そうですね!