米タイム誌「世界で最も影響力のある100人」に大谷翔平と大坂なおみが選出…紹介文でAロッドが称賛したのはフィールド外の姿勢
「翔平は今季、本当に野球を楽しんでいます。私は彼の大ファンです。彼にはチケット代金を払う価値があります。彼は、どうやってシーズンを終えるのか。待ちきれません」 現在大谷は本塁打タイトル争いで45号をマークしたブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)を1本差で追う位置(44号)につけており、また投手としては9勝2敗で、ベーブ・ルース以来、103年ぶりとなる「2桁勝利&2桁本塁打」の偉業達成に王手をかけている。 ゲレーロJr.には3冠王獲得の可能性が出てきているため、当初、最有力と言われていたMVPレースも両者の争いになっているが、そのMVPの行方も含めてAロッドは「どうやってシーズンを終えるか待ちきれない」と語っているのである。 大谷がタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたことは全米でも大きなニュースとなり、MLB公式サイトや、NJドットコム、ブリーチャー・レポートなどが報じた。 メジャーでもあり得なかった二刀流スターとして驚愕の結果を残してきた大谷の活躍は、タイム誌が取り上げるほどの社会的影響を全米に与えてきたようだ。
また今年の全豪OPを制し、東京五輪では最終聖火ランナーを務めた大坂は、2年連続の選出となった。大坂には、NFLシアトル・シーホークスの名QBで2019年の長者番付でNFLナンバーワンになる一方、チャリティーやボランティア活動に熱心なラッセル・ウィルソンが紹介文を寄せた。 「大坂の謙虚さと他者への献身は見ていて壮観でした。彼女がメンタルヘルスに苦しんでいることについて正直に話し、私たちと彼女の脆弱性を共有することができたことは信じられないほど有意義なことです。2020年5月にジョージ・フロイドさんが死去した後、なおみは、ミネアポリスでの抗議行動に参加しました。彼女が優勝した昨年の全米オープンでは、トレイボン・マーティンさんとブレオナ・テイラーさんを含む、近年、殺された7人のアフリカ系アメリカ人を称えるマスクをつけていました。彼女は、世界で最高の一人であり、正義のために戦い、直面する課題についてオープンにすることができることを示しました。私たちはみんな違いを生み出す多様な能力を持っています。文化を変え、社会を変え、全世界を変えることができます。大坂なおみには、その力があります」 昨年の全米オープンでは、人種差別の被害にあった人々の名前を書いたマスクをつける抗議行動を起こし、今年に入ってからはメンタルヘルスの問題を抱えていることを告白。公式記者会見への出席を拒否して“問題提起”するなど、コート外でも様々なメッセージを発信してきた大坂の姿勢を称えた。 タイム誌では、今回スポーツ界からは、大谷、大坂の他に4人のアスリートを選んだ。 女子体操のスーパースターで東京五輪では種目別の平行棒で銅メダルを獲得したものの、メンタルヘルスの問題を告白して金メダル候補だった多種目のいくつかを棄権した24歳のシモーネ・バイルズ、そして、そのバイルズが欠場した女子体操個人総合で金メダルを獲得した18歳のスニサ・リー。 NFLタンパベイ・バッカニアーズの44歳のレジェンドQBで、スーパーボウルで7度目の栄冠を手にしたトム・ブレイディ、35歳ながら東京五輪の陸上4x400メートルリレーで金メダル、400メートルで銅メダルを獲得し、これまでのメダル総数を7つの金を含む11個に増やしたアリソン・フェリックスを選出している。