なぜ大谷翔平は44号と4回途中6失点KOの明暗を演じてしまったのか…敵の5番打者は「スプリッターが鋭くなかった」と分析
エンゼルスの大谷翔平(27)が10日(日本時間11日)、敵地ヒューストンで行われた東地区1位のアストロズ戦に「2番・投手」で先発出場。打者としては、初回にアストロズの先発左腕のフラムバー・バルデス(27)のツーシームを捉えライトスタンドにライナーで先制の44号ソロを放り込んだ。しかし、投手としては3回に二死から3連打を浴びて3失点、チームの援護で逆転したが1点リードで迎えた4回に死球やワイルドピッチなどで広げた一死二、三塁のピンチにホセ・アルトゥーベ(31)に三遊間を破る同点タイムリーを浴びて77球で降板し、ベーブルース以来、103年ぶりとなる「2桁勝利&2桁本塁打」の達成は次戦に持ち越しとなった。3回1/3、奪三振1、被安打9、6失点の過去最多被安打で今季2敗目。全米メディアも二刀流スターの投打の明暗にフォーカスして報道。アストロズ打線に攻略された原因を分析した。
「大谷はベストなボールを持っていなかった」
MLB公式サイトは、「大谷が珍しく不安定な先発の中で44号を鋭く飛ばす」との見出しで、「二刀流で大評判の大谷にとって打者としては良い夜となったが、マウンドはそうではなかった」と投打の明暗について伝えた。 同サイトは、「大谷は5月28日以来の敗戦投手となり、21回の先発で9勝2敗、防御率3.36と数字を落とした。彼は、また(1900年以来の)近代野球史で1回に本塁打を打った同じ試合で敗戦投手となった初めての選手となった」とのデータを紹介。 「最近8度の先発で6勝0敗、防御率2.25と7月序盤から好調だった大谷は、マウンド上でいつになく苦労していた。それは序盤からはっきりとしていた。何とかピンチを脱したものの、1回に2安打を許した。彼の苦戦は、9月3日のレンジャーズ戦でキャリア最多の117球を投げた後にもたらされた」と指摘した。 エンゼルスのジョー・マドン監督は「(アストロズ打線は)優れていた。今夜の彼の投球には、三振や打ち損じ(誘うもの)が見られなかった。ベストなボールを持っていなかったのだ。だが、彼は良く戦っていたと思う」とコメントしたという。 同サイトによると、3回に大谷からライト前タイムリーを打ったアストロズの5番打者、カルロス・コレアは、「彼のスプリッターに鋭さがなく、今日の我々はラッキーだった。彼のスプリッターが機能すれば、2ストライク後は特に捉えるのは難しくなる。今日は、そうでもなかったようだ。今日はスライダーに頼っていて、直球とスライダー(の配球)なら、我々が、ほぼ毎日見ている投球と同じになる」と語り、大谷攻略のポイントが「落ちなかったスプリッター」にあったと分析したようだ。