【試乗】スズキの次世代原付「e-po」自転車とEVのイイとこどりの嬉しいキャラクターに注目!
いざ試乗 自転車の姿でスイーと加速するパワーは原付以上か?
というワケでいよいよ試乗に臨んでみた……と、言いたいところだが、見た目も車格も全てがほぼ自転車なので、あまり緊張感はない。シート高(サドル高)も簡単に上げ下げでき、足つきや取り回しも自転車と同じだ。ところが、実際にペダルをこいで走り出すと、かなり速い!アシスト自転車の気分でいるとビックリすること間違いナシ。アシスト性が人力の3倍というのは伊達ではない。あっという間に原付の制限速度・30kmに到達だ。 さらにこぐペースを高めたところ、最高速度は40km/hまで確認。公道では出せない速度だが、原付一種並みの運動性能は発揮というわけだ。トップスピードはややガソリンエンジンに届かないが、加速性が素晴らしいのはEVならでは。変速機は自転車でよく見る外装式の7段で、走り出しから巡航まで細かな調整が可能。自転車オーナーにとってはまったく違和感なく運転することができるだろう。 さらにスロットルのみでの操作も試してみる。こちらはトップスピードは伸び切らないが、やはり力強い加速が楽しい。フレームはサスペンションのないリジッドであり、車体も軽いためギャップは少しドキドキ。コーナリングも慣れるまではちょっと怖い(最近自転車に乗っていないのでなおさら!)が、ブレーキはフロントのディスクブレーキで制動力十分だった。 車道のど真ん中を走ることはできないが、裏路地を軽快に抜けるのにはピッタリな特性は、まさに原付一種らしいメリット。それでいて持ち上げられるほど軽く、畳んでアウトドアにも持っていけるとなれば、これはe-poならではの面白い個性だ。
今後のEV原付はどうなる? 話題の「e-チョイノリ」にも期待だ
そんなe-poだが、実はまだ開発は完成しておらず、スロットルのレスポンスや灯火、配線のレイアウトなど、さまざなポイントを更に改良していくという。このため発売時期、価格は未定だが、開発テーマとして「原付一種のユーザーのために」開発を進めていることや、ベース車両のアシスト自転車「OFFTIME」の機構が極力残されていることから、価格は高価にはならないだろう。また、車載機能など従来のバイクとは全く違う個性から、スズキの自動車販売店で取り扱われる可能性もあるようだ。 また、昨年の規制緩和により一気に見かける機会の増えた「特定小型原付」は、e-poとの親和性も高いカテゴリーといえる。既にスズキは、「ナンバープレートを折りたたむ機構」の特許を取得しており、e-poにも搭載の可能性はあるといえるが、こちらも開発段階のため、続報を待ちたい。 そして、忘れてはいけないのがe-poと共にモビリティショーで発表された「e-チョイノリ」の存在だ。かつて大人気を誇ったチョイノリの次世代モデルと言っていいこちらは、ポップなスタイルも相まって注目度は極めて高く、SNS等でも大きな話題を呼んだ。こちらも開発は着実に進んでおり、クラスはやはり原付一種。e-poとは個性の違うスタイルが、どんな風に実現していくのか楽しみにしていきたい。
e-po(開発中)主要諸元
・全長×全幅×全高:1531×550×990mm ・ホイールベース:1044mm ・シート高:780-955mm ・乾燥重量:23kg ・モーター:直流ブラシレスモーター ・定格出力:0.25kW ・バッテリー容量:25.2V-16Ah ・変速機:外装7段シフト ・ブレーキ:F=ディスク、R=ローラーブレーキ ・タイヤ:F=18-2.125 、R=20-2.125 ・価格:未発表
西田 宗一郎
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