ご希望に添えかねる結果となりました…世帯年収1,400万円・30代パワーカップルが、住宅ローン審査落ち。「そういえば」口を開いた夫に原因、〈銀行の総合的判断〉の正体【CFPの助言】
審査に通らない…考えられる3つの原因
住宅ローンは、「年収が高ければ通る」というものではありません。審査には複数の要素が関わり、その結果によって融資が決まるため、しっかりと理解しておくことが大切です。 1.勤続年数が短い、年収が低い 住宅ローン審査で見られる要素の1つに「勤続年数」があります。 収入が安定しているかどうかを判断するため、金融機関は借り手の勤続年数に注目します。一般的に3年以上の勤続があると審査が有利になりますが、それより短い場合は「今後の収入の安定性に懸念がある」と判断されることがあります。 希望借入額に対して年収が見合っていない状態も注意が必要です。年間の収入に対してどれだけの金額をローン返済に充てるかの割合を返済比率といいますが、通常、この返済比率は30%以内に抑えることが推奨されます。収入が多くても、返済比率が高すぎると「返済が難しい」と判断されるため、ローン審査に影響を与えます。 たとえば、年収600万円の場合、返済比率が30%だとすると年間で180万円、月々の返済額は約15万円までが適切な範囲です。もしそれを超える返済計画を立てていると、審査に通りにくくなることがあります。
住宅ローンの審査を左右する「信用スコア」
2.ほかに借入がある もう1つの大きな要因として、「既存のローンや借金」が審査に影響することがあります。 金融機関は、住宅ローンの審査を行う際に、借り手が他にどれだけの借金を抱えているかもチェックします。もし、車のローンやクレジットカードのリボ払いなど、他の借入金がある場合、それらも含めた総合的な返済能力を評価されるのです。 A夫妻は、上記のどれにも該当しませんでした。お互いに大学卒業から同じ会社で、借入もありません。しかし、よくよく考えてみたAさんが「そういえば……」と口を開きました。 3.信用情報に問題がある 住宅ローン審査では、年収のほかに「信用スコア」が重要となります。信用スコアとは、過去の借入やクレジットカードの利用履歴、返済状況などをもとに計算される「信用力」の評価です。金融機関は、この信用スコアを使って借り手が過去にしっかりと返済をしてきたか、今後も安定して返済できるかを判断します。 たとえば、過去にクレジットカードの支払いを何度も遅延したり、リボ払いの残高が多かったりする場合、信用スコアが低くなり、住宅ローンの審査に悪影響を与えることがあります。年収が高くても、信用スコアが低ければ「返済能力に不安がある」と見なされ、審査に通らない可能性があるのです。 Aさんは大学時代に奨学金を利用しており、現在も返済を続けています。返済口座は大学時代にアルバイト代の受取のために開設した銀行口座を使っており、毎月、メイン口座から返済用口座へ振り込みを行っていました。 数年前に、仕事が忙しくうっかり数ヵ月入金を忘れてしまいました。そのあいだに奨学金の借入先である日本学生支援機構から催促の連絡はありましたが、後で振り込もうと考えているうちに月日が経過してしまったとのことです。 奨学金も借入にあたり、返済が滞ると個人信用情報機関に個人情報が登録されます。現在奨学金を返還されている方は、延滞3ヵ月以上で個人情報が登録され、住宅ローン等の借入に大きなマイナスとなる場合があります。
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