「ニンテンドーミュージアム」がついに開館。「あそび」に注がれてきた135年の情熱と愛を目の当たりにせよ
10月2日に京都府宇治市にオープン予定の「ニンテンドーミュージアム」。長年ゲーム業界を牽引し、世界中を魅了してきた任天堂による、世界でも稀なゲームミュージアムとはどのようなものなのか。一足先にその全容をレポートする。 任天堂の創業は1889年。83年にファミリーコンピュータを発売して以来、様々なゲーム専用機のハードウェアおよびソフトウェアを開発・製造・販売してきた。ニンテンドーミュージアムに先駆け、23年には京都市内で京都髙島屋S.C.の専門店ゾーン「T8」に国内3店舗目の任天堂直営オフィシャルストアとなる「Nintendo KYOTO」をオープンさせた。そして今回、同ミュージアムは、宇治小倉工場(京都府宇治市)の用地および建屋を資料館としてリノベーションするかたちでオープンする。 敷地内には大きく分けて、「ミュージアム」「ショップ」「カフェ・ワークショップ」の棟がある。まずはミュージアム棟の展示エリアから順を追って見ていこう。 まずミュージアム敷地内に入るには、ゲートで発行された入館証が必要となる。展示棟エントランスではキノピオたちがお出迎え。開業後は混雑も予想されるが、ここで記念撮影をするのもよいだろう。 ミュージアム棟 2階 展示エリア 展示エリアは2階からスタート。ここには、任天堂が1889年の創業時から開発してきた製品が一堂に並んでいる。 会場でも壮観なのは、ゲーム&ウオッチ(1980)を皮切りに、ファミリーコンピュータ(1983)、Nintendo Entertainment System(1985)、ゲームボーイ(1989)、スーパーファミコン(1990)、Super Nintendo Entertainment System(1991)、バーチャルボーイ(1995)、NINTENDO64(1996)、ニンテンドーゲームキューブ(2001)、ゲームボーイアドバンス(2001)、ニンテンドーDS(2004)、Wii(2006)、ニンテンドー3DS(2011)、Wii U(2012)、Nintendo Switch(2017)といった、任天堂によって開発・世界展開されてきたゲーム機やゲームソフトの数々がずらりと勢揃いしている点だ。 各ゲーム機ごとにショーケースが展開されており、その特徴やそのゲーム機ならではのソフト、そしてそのゲーム機で実践された「あそび」への挑戦や「技術」の挑戦についてもわかりやすく紹介されている。 子供時代に遊んだ思い出のゲーム機やソフトのパッケージを前に、やはり喜びと懐かしさを噛み締めてしまいながらも、そのゲーム体験が開発のどのような変遷のなかに位置付けられていたかを改めて知る機会にもなった。 また、任天堂が創業時より取り組んできたあそびへの探究についても、「挑戦の時代」と称したエリアで紹介されている。花札やかるた、ベースボールゲーム、ボードゲームなど様々なテーマを掲げながら、日常生活に新たなあそびを提案してきたことが伺えるだろう。
文=三澤麦(ウェブ版「美術手帖」編集部) 画像提供=任天堂株式会社