【箱根駅伝】3冠王手の国学院大 エース・平林清澄がもたらす相乗効果「強みは選手層の厚さ」
【次の100年へ――歴史をつなぐ有力校たち(最終回)】新たな歴史を刻めるか――。第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の注目校を5回に分けて紹介する短期連載の最終回は、史上6校目の大学駅伝3冠を目指す国学院大をピックアップ。絶対的エース・平林清澄(4年)の存在は、チーム全体のレベルアップに絶大な効果をもたらしている。 対抗馬から本命に駆け上がる。昨年10月の出雲駅伝で5年ぶり2度目の優勝を果たすと、11月の全日本大学駅伝でも優勝し、同校初の2冠に輝いた。箱根駅伝の優勝にも期待が高まる中、前田康弘監督は「過去最強のチームだと思っている。今年の強みは選手層の厚さ」と手応えを口にする。 そんなチームの大黒柱は平林だ。1年時から三大駅伝で皆勤賞を続け、勝利の喜びと敗戦の悔しさを何度も経験。大学駅伝界の屈指のランナーは、集大成の一戦に向けて「エースとしての走りをしたい」と意気込むが、他の選手も黙っていない。 山本歩夢(4年)が「平林だけと思われたくないというのは、みんなが思っている」と話せば、辻原輝(2年)も「僕たちは(平林に)『勝ってやる』って気持ちを持っている」とニヤリ。各選手が〝打倒・平林〟をモットーに鍛錬を積み重ねてきたことで、出雲駅伝では区間賞を3選手輩出するなど、チーム全体の底上げが実現した。平林も「特に今年は常に首に鎌をかけられているような、恐怖心を抱きながら、常にお尻に火をつけられているような感覚」と刺激を受けている。 今季は箱根駅伝の総合優勝を視野に入れ、トレーニングを行ってきた。3年連続で2区を任された平林は「今年こそ前田(康弘)監督の『大号泣』が見えるように、その結果にふさわしい総合優勝ができるように、チームとして全力で頑張りたい」。悲願達成へ、全員駅伝でタイトルを総ナメにする。
中西崇太