ツンデレ鬼上司の正体は(顔を見てない)初恋の皇帝…! 無自覚に告白するヒロインを意識しまくる皇帝にキュンするしかない『金なる恋は後宮で』【書評】
初恋の相手と実は再会しているのにそれと気づかず……という展開は少女漫画の王道。なぜ王道かといえば、「初恋の相手が今目の前にいる彼だと気づいた時、どうなるのか?」という楽しみがあるからではないでしょうか。ちなみにこの王道には「初恋の人=彼」ということを男性側も読者も知らされないパターンと本作のように男性側が気づいているパターンなどいくつかのパターンあり。前者は謎解きしながらハラハラと読める楽しさが魅力、後者は「自分だと気づいたら相手はがっかりするのでは?」など男性側の心情が読めるのが魅力です。本作は後者。紅旭の意図しないところで勝手に翻弄されている連鶴の自分への自信のなさを「そんなことないよ!」と紙の向こうから声をかけたくなりつつ見守ってしまいます。 紅旭が武官=皇帝だと気づいた時、ふたりの関係はどうなるのか? ぜひこの答えを確かめてみてください。 文=原智香
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