【阪神】ドラ1・伊原陵人 指名漏れ&調査書2枚から大逆襲へ…大学の恩師が明かす当時と思い
調査書2枚からの大逆転へ! 阪神のドラフト1位・伊原陵人投手(24=NTT西日本)が、8日から兵庫・西宮市の鳴尾浜球場で始まった新人合同自主トレに参加。プロ野球選手として新たな一歩を踏み出した〝即戦力左腕〟の大商大時代の恩師が、指名漏れとなった当時のドラフトを振り返るとともに、熱いエールを送った。 この日は、他の新人選手とともにキャッチボールやランニングなどのメニューを約4時間半かけて消化。「プロ生活としての第一歩というのは、今日が初めてなので。自分にとっては非常にいい日になったのかなと思います」とうなずいた。 そんな左腕の大商大時代の恩師・富山陽一監督は大学時代の印象をこう明かす。「後輩だけでなく先輩にも負けないという気持ちがあって。僕はいつでも投げれますよという視線がブルペンから伝わっていたので。臨機応変にどんな景色にでも対応できるような子だった」。大商大はこれまで多くのプロ野球選手を輩出。伊原の先輩に当たる大西(ヤクルト)や橋本(中日)、さらには後輩の高(広島)、上田(西武)らが在籍したことから〝負けん気〟は人一倍強かったようだ。 しかし、2022年の大学4年生時にプロ志望届を提出したが、ドラフト会議で最後まで指名されることはなかった。富山監督は「NTT(西日本)が早くに決まっていたんでね。よほど突き抜けないと(ドラフトに)かかれへん」と前置きしつつ「志望届を出したら指名されるかなってのもあったかも分からんけど、プロからの調査書も2通しか届かんかった」と当時の悔しい状況を明かした。 さらに「上位で100%かかるという時は(部員)全員参加でドラフトを見守るようにしてるけど、伊原の時は4年生だけに絞ってやった」といい「出しました、滑りましたってなったら恥ずかしいし、こっちも自信がなかったしね」。こぢんまりとドラフト会議の様子を見届けたという。 それでも伊原は社会人で腕を磨き、阪神のドラフト1位指名を勝ち取った。富山監督は「社会人で伸びたこと? 髪の毛だけや(笑い)」とジョークを交えつつ「長いこと野球ができたら一番いいと思うし。〝こいつが何で1位やねん〟って言われんような選手になってほしい。そのためにも、初心を忘れんとった方がええよね」と熱いエールを送った。 憧れのプロの世界へ飛び込んだドラ1左腕。〝本当のスタート〟はこれからだ。
奥中佑佳