【今度は「胸と太ももを触られた」と主張】群馬・草津町長からの“性被害でっちあげ”の罪に問われた新井祥子・元町議 初公判で主張した“わいせつ行為”の内容の不可解な変遷
主張の内容が二転三転
しかし一方で、町長に刑事処分を受けさせる目的で、2021年12月、町長から町長室で「股間を押し当てられた」などといった強制わいせつの被害を受けたという虚偽の告訴状を前橋地検へ提出したという虚偽告訴罪については認めた。つまり、現段階で「町長からのわいせつ行為があった」と主張しているにもかかわらず「強制わいせつ被害を受けた」という告訴状は“嘘”であると認めているのだった。 不可解な主張について、冒頭陳述で弁護人が述べたところによれば、“わいせつ行為”の詳細が異なっているということのようだ。新井被告側は現時点では、2015年1月8日の町長との面会において「町長が新井被告の上着の中に手を入れて、胸を触ったり、太ももを触ったりした」と主張している。電子書籍には“肉体関係があった”と告白し、虚偽告訴の際には“股間を押し当てられたりした”と証言、そして現時点では“胸や太ももを触られた”と、その内容が変遷し続けていることがわかる。
無罪を争っている電子書籍発行による名誉毀損について、新井被告の弁護人は「最終稿のチェックがないまま販売が開始された」「飯塚氏が町長への裏付け取材を全く行なわなかった」など、取材や確認が不十分なまま飯塚氏が電子書籍を発行したと主張したほか、「新井被告が町議となって以降、町長が手を握ってきたり太ももを触ってきたりしたほか、夜に自宅で待ち伏せるなどした。権力者の機嫌を損ねてはならないと思った」などと述べた。 民事裁判の確定後に町長は取材に応じ、「新井被告が自宅前で待ち伏せていることがあった。『話がある』と言うので人通りのある場所で聞いたが雑談で終わった」と語っている。 法廷では再び、新井被告による2015年1月8日の録音データが部分的に再生されたが、新井被告が町長に頼み事をしている様子や、それを受けて町長が電話をかけ、「留守電になっちゃった」など話している様子が記録されていたが、肉体関係はおろか、わいせつ行為をうかがわせるような声や物音は認められなかった。音声データ終盤は、町長室を出たのちの、新井被告による「あー、疲れた」という独り言が収録されていた。 公判はこれから、関係者の証人尋問が続いていく。新井被告に対する被告人質問は来春以降になる見込みである。 ◆取材・文/高橋ユキ(ノンフィクションライター)
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