改革開放から逆戻り、中国国民に不満広がる-政治リスクとなり得るか
抗議行動は通常、当局により鎮圧されてしまうが、結果を出すこともある。2022年の「白紙運動」は、デモ参加者が白紙を掲げて新型コロナ規制への反対を表明したもので、ロックダウン(都市封鎖)を急速に終わらせた。新型コロナを徹底的に封じ込めるいわゆる「ゼロコロナ」政策もまた、習氏が旗振り役だった。
1976年から中国をたびたび訪れている米ハーバード大学のアンソニー・サイチ教授は、中国のミドルクラス(中間所得者層)の間で「これほど高いレベルの不満やいらだちを見聞きしたことはない」と語る。
北京の心理学教授であるジュリエット・チョウ氏は、特に以前成功していた起業家の多くがここ数年「非常に困難な時期」を過ごしており、「精神衛生上の問題を抱える人々が著しく増加している」と指摘する。
中国国民の間に広がる不満の声は、米国の対中強硬派の耳にも届いている。共産党政権が揺らぐと臆測する向きもあるが今のところ、共産党の統治に対する組織的な挑戦は、中国の街頭では見られない。あるのはワシントンにいる政治家の頭の中だけだ。
原題:End of China’s Golden Age Risks Political Peril for Xi (抜粋)
--取材協力:Emily Cadman、Allen K Wan、Chien-Hua Wan、Eric Zhu、Jennifer Welch、Nick Hallmark.
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Rebecca Choong Wilkins, Tom Orlik