「9月から米利下げ」で《ドル安・円高》になる?過去の事例から検証【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
今回は米利下げでドル安・円高の可能性が高いが利下げ後の予期せぬイベントの発生に要注意
そして、(5)で日米金利差が約68bp「縮小」、ドル円は12円66銭ほど「ドル安・円高」に振れましたが、これは米サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題の表面化によるリスク回避的な動きが影響したと推測されます。最後の(6)では、日米金利差は約40bp「縮小」、ドル円は1円06銭ほど小幅に「ドル高・円安」に振れましたが、当時は米中貿易問題を巡り市場が一喜一憂し、ドル円の方向感が出にくかったためとみられます。 以上より、米利下げ後の日米金利差やドル円の動きは、「利下げそのもの」よりも、「利下げ後のイベント(国際的な通貨合意や金融危機、米中の政治的緊張など)」に、より強く影響を受ける傾向があることが分かります。今回は、米国で利下げ、日本で利上げとなる可能性が高く、日米金利差の縮小とドル安・円高が予想されますが、米利下げ後の予期せぬ金融危機の発生や、米中の政治的緊張の高まりなどには、十分な注意が必要と考えます。 (2024年8月29日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『「9月から米利下げ」で《ドル安・円高》になる?過去の事例から検証【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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