ジャンボタニシにキョンからクマまで! 在日ベトナム人たちが日本の有害生物を狩りまくっていた!!
ところが、そんなジャンボタニシに「天敵」が出現した。 それは、今世紀に入り日本の農村部で多く働くようになった外国人労働者たちだ。もともと中国南部や東南アジアには、タンパク源としてタニシを食べる習慣が現在でも残っている。 加えてジャンボタニシは本来、食用目的で輸入された個体が遺棄されて繁殖した経緯がある。食べられる生き物なのだ。 「ああいう貝は、インドネシア語で『ケヨン・サウア』といいます。唐辛子と煮て食べるとおいしいですよ。でも、ベトナム人のほうが多く食べていますね」 溜め池でライギョを捕獲中だった、地元のインドネシア人労働者のスウィト氏(32歳・男性)はそう話す。 もっとも、私たちがぺんた氏と共に池を調査したところ、確認できたジャンボタニシは小型の個体ばかり。手のひらの半分を覆うような巨大な殻を持つ個体は、死んだ貝殻が数個見つかった程度だった。 「ジャンボタニシが大きくなるには一定の時間がかかります。この池の場合、巨大な個体は近所のベトナム人が採り尽くしてしまったんでしょう。イネの食害を防げるので、地元の農家の方には助かる話ではあります」 実はこうしたベトナム人たちによる〝乱獲〟は、自家消費以外にも目的がある。フェイスブック上に多数存在するボドイ・コミュニティを通じて、日本在住のほかの同胞向けに食材として販売できるからだ。 例えば、こんな広告が見つかる。 ・タニシ......700円・イノシシ肉......1100円・イヌ......1100円(欠品中) 投稿者に連絡してみると、応じたのは関東在住のメイ氏(仮名)。30代のベトナム女性だった。上記の価格は1㎏当たりで、注文は2㎏から受け付けるという。 そこで、物は試しと買ってみた。すると、「石川県日市七郎町」(白山市の誤記か)のアパートの一室から、ビニール袋に入った大量のタニシが生きたままで送られてきた。 仕組みはどうやらこうだ。全国各地のベトナム人が捕獲した食用生物の情報を、仲介業者であるメイ氏がフェイスブックに投稿。顧客が彼女にお金を振り込むと、食材が産地から直接送られる。 広告のポストではウサギやスッポンなどほかの生物もしばしば登場していた。各地で捕獲され次第、メイ氏が情報を流すようだ。 なお、私たちが購入したタニシの産地は北陸地方だったため、送られてきたのは日本の在来種だ。とはいえ、捕獲地が関西以西の場合、もちろんジャンボタニシが届く場合もあるはずだ。