楽天からFAの茂木栄五郎、ヤクルトへの移籍決断 内野全ポジション守れるヒットメーカーに背番号『8』用意!戦力底上げ期待
楽天から国内フリーエージェント(FA)権を行使した茂木栄五郎内野手(30)が、ヤクルトへの移籍を決断したことが4日、分かった。ヤクルトと11月29日に初交渉を行い、出来高払いを含めた2年総額1億2000万円以上の契約を提示されたとみられる。背番号は8になる予定で、ヤクルトは今オフの補強第1弾となる。 【写真】サンタの衣装を着た茂木栄五郎 熟考の末、新天地でプレーすることを決めた。国内FA権を行使していた茂木が、ヤクルトへの移籍を決断したことが判明した。 茂木は神奈川・桐蔭学園高から早大を経て、2016年にドラフト3位で楽天に入団。1年目から遊撃手のレギュラーに定着し、19年まで4年連続で100試合以上に出場した。近年は出場機会が減っていたが、卓越した打撃技術は健在で、今季は46試合に出場して打率・265、1本塁打、8打点。年俸は推定6000万円で、金銭や人的補償が発生するBランクとみられる。 11月23日に参加した楽天のファン感謝祭では「本当によく考えて結論を出したい」と口にしていた。同29日にヤクルトと東京都内で初交渉に臨み、2年契約で出来高払いを含めた総額1億2000万円以上の条件を提示されたとみられる。楽天からは宣言残留を認められていたが、ヤクルト側の最大限の誠意に応えた。ヤクルトが本拠地とする神宮球場は早大時代にプレー。決勝が同球場で行われる全日本大学選手権では1年時と4年時の2度、優勝を果たしており、縁のある場所だ。 2年連続でリーグ5位と低迷したヤクルトにとって、この上ない朗報といえる。今季は中村やサンタナ、塩見ら主力選手の離脱が相次ぎ、高津監督は「若い人とベテランと、1軍と2軍との差をすごく感じたシーズン」と口にしたほど戦力差が浮き彫りとなった。茂木は通算781試合に出場するなど実績十分で、内野の全ポジションを守れる万能さも魅力。レギュラーに不測の事態が起きてもカバーできる。 正二塁手の山田は来年33歳を迎え、正三塁手の村上は来オフにポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦することが確実。今後を見据えても大きな戦力となる。球団として国内FA権を行使した選手の獲得は、14年オフの大引啓次(日本ハム)と成瀬善久(ロッテ)以来10年ぶりとなった。 ヤクルト側は背番号8を用意。かつては通算2228安打、486本塁打を誇る大杉勝男(1975―83年)、2度の打点王に輝いた広沢克己(85―94年)、西武から移籍してきた辻発彦(96―99年)、茂木にとって早大の先輩にあたる武内晋一(2006―18年)ら名選手が着用した重みのある番号だ。