Androidスマホが“短命”なのは過去の話? OSアップデートが長期化されたワケ
今から約2年前の2022年10月に「Androidスマートフォンの“寿命”がiPhoneよりも短い理由」というコラムを執筆した。当時を振り返りつつ現状を見てみると、この認識は古いものになりつつあるようだ。 【画像】OSアップデートが長く提供される2メーカー 今回はこの題に対して、最新の状態にアップデートした内容で「AndroidスマートフォンはiPhoneに対して寿命が短いのか」について考えてみよう。
メーカーが公表しているOSアップデート期間 最長はサムスンとGoogle
まずは直近に発売されたスマートフォンのソフトウェアアップデート期間についてまとめてみよう。2年前とは異なり、Androidスマートフォンではソフトアップデート提供期間を公表するようになったことが大きな変化だ。アップデート提供期間は日本でも知られるメーカーを中心に以下の通りだ。 ・Apple:非公開(直近では7年間のOSアップデート) ・サムスン電子:7年(2024年以降のGalaxy Sシリーズ、Fold、Flipシリーズに限る) ・Google:7年(Pixel 8以降) ・Xiaomi:4回(グローバルモデル、セキュリティアップデートは5年) ・OPPO:4回(グローバルモデル、セキュリティアップデートは5年) ・HONOR:4回(グローバルモデル、セキュリティアップデートは5年) ・シャープ:3回(セキュリティアップデートは5年) ・ソニー:3回(セキュリティアップデートは4年) ・モトローラ:3回(セキュリティアップデートは4年) ・FCNT:3回(セキュリティアップデートは4年) ・ASUS:2回(セキュリティアップデートは4年) ・ZTE:非公表 ・京セラ:非公表 ・参考:Huawei:6回以上(HarmonyOSアップデートを含む) ソフトウェアのアップデート期間が長いことで知られるApple iPhoneは、アップデート提供を行う期間を非公開としている。直近の例になるが、2018年発売のiPhone XSは最新のiOS 18へのアップデートが行える。これはOSアップデートが6回行われ、最新OSの状態を7年間利用できることになる。 また、AppleではOSアップデートが終了したiPhone 8などの古い機種にも、セキュリティアップデートを度々提供している。アップデート提供期間の長さなら他社の追従を許さない。 一方、ここ数年でAndroidスマートフォンにも変化が見られた。サムスンとGoogleは一部機種に対し、7年間のOSアップデート、セキュリティアップデートを行うと公表した。Googleは2023年発売のPixel 8から、サムスンはGalaxy S24シリーズ以降のハイエンド機種が対象だ。今後は Aシリーズなどのミッドレンジ端末もアップデートの長期化が考えられる。 長期のサポートで有名なHuaweiもソフトウェアアップデートの提供期間は非公表としている。端末によっては6年以上のアップデートを提供している。Huaweiの場合、Android OSのアップデートではなく、HarmonyOSのアップデートという形に変化しているため、通常のAndroidスマートフォンと同じ指標で評価できない点は留意したい。 また、中国向けに今後発売する端末は完全な独自OS「HarmonyOS NEXT」に移行する。既存機種にもアップデートが予定されており、HuaweiのスマホはAndroidのカテゴリーから離れる見込み。これによりAppleのようなソフトウェアの一括管理ができるため、より長期のアップデートを提供できる可能性がある。 それ以外のメーカーも平均して4~5年のソフトウェアアップデートを提供すると表明している。特にグローバル展開をするXiaomi、OPPO、HONORはセキュリティアップデートを含め、5年間のソフトウェアアップデートを提供すると公表している。 前項のサムスンやGoogleと異なり、OSアップデートの回数とセキュリティアップデートの提供年月が異なるため、OSアップデートは回数、セキュリティアップデートは年数という形で表記される。 日本市場で強いメーカーでは、シャープが2023年発売の「AQUOS R8」から3回のOSアップデートと最大5年間のセキュリティアップデートを行うと公表している。ソニーやFCNTも上位機種にて、3回のOSアップデートと4年間のセキュリティアップデートを行うと公表するなど、日本メーカーも「アップデート期間を公表する」流れが恒常化している。