【独自】「検察なめんなよ」特捜部『検察官』を罪に問う『刑事裁判』実施決定 「机を叩き 怒鳴り続けた」冤罪事件の取り調べ 248日間の身柄拘束 無罪となった「プレサンス」元社長
■机を叩き「検察なめんなよ!命かけてるんだよ」
<取材で明らかになった取り調べの内容> 田渕検察官は、右手を自分の顔のあたりまで振り上げ、振り下ろした手の平で机を1回叩き、以下のように言い放つ。 「嘘だろ!今のが嘘じゃなかったら何が嘘なんですか!」「命かけてるんだよ!検察なめんなよ!命かけてるんだよ、私は」「かけてる天秤の重さが違うんだ、こっちは」
■地検は不起訴処分と判断 元社長は裁判所の判断で『刑事裁判の開始』を求める
山岸さんは捜査で違法な取り調べが行われたとして、検察官らを刑事告発したものの大阪地検は不起訴処分と判断。 そのため裁判所の判断で刑事裁判の開始を求める『付審判(ふしんぱん)請求』を申し立てていました。 この請求に対して大阪地裁の佐藤弘規裁判長は「机を叩き、怒鳴り責め立て続けた言動は特別公務員暴行陵虐(りょうぎゃく)罪の嫌疑が認められるべき」と異例の指摘。 一方で「不起訴は正当だった」としたことから、山岸さんは大阪高裁に不服を申し立てていました。
■『現役検察官』の刑事裁判 実施決定 「恐怖心をあおる脅迫的な内容。虚偽供述が誘発されかねない危険性の高いもの」と大阪高裁
そして8日大阪高裁(村越一浩裁判長)は、山岸さんの『付審判請求』を認めました。 大阪地裁は、山岸さんの元部下に対する取り調べで「プレサンスの評判を貶めた大罪人である」「10億円、20億円では済まない損害賠償を受けることになる」との発言は「陵虐行為」に当たらないとしていましたが、大阪高裁はこうした発言も「陵虐行為」に当たると判断。 その理由として、「発言自体が元部下の恐怖心をあおる脅迫的な内容で、こうした発言が前日の(机をたたく等の)取調べにおける威圧的、侮辱的、脅迫的な言動による影響が残った状態で行われたもの」であることを重視したことを挙げています。 そのうえで、「本件取調べは虚偽供述が誘発されかねない危険性の高いもので、今後繰り返されないようにすべき」などとして、特別公務員暴行陵虐罪に問う刑事裁判を開くべきと結論付けました。
■「検察の捜査・取調べの運用の在り方について組織として真剣に検討されるべき」
さらに大阪高裁は、決定文の最後で「捜査官による取調べは真実追及の場面であり、厳しく被疑者に迫るのは当然のことであるとの考えが、検察官に根強く残っており、そのことがこの種の事件立件、起訴する場面での意識の低さにつながっていた」と指摘。 「今回の問題は検察官個人の資質や能力だけに原因を求めるのではなく、検察の捜査・取調べの運用の在り方について組織として真剣に検討されるべき」と、検察組織に注文をつけています。 弁護団によると、付審判請求が認められ、現役の検察官が行った取り調べについて、特別公務員暴行凌虐の罪で刑事裁判を開くように決定が出るのは初めてだということです。
■「公正な判断を頂いて感謝している。その一言に尽きる」とプレサンス元社長
山岸さんの代理人である中村和洋弁護士は「画期的な決定。検察官の取り調べが、起訴に相当する判断が下されるのは初めてではないか。今後の刑事司法、検察官の取り調べの在り方が大きく変わると言っても過言ではない」と話しています。 また、山岸さんは「公正な判断を頂いて感謝している。その一言に尽きる」とコメントしています。 (関西テレビ記者 赤穂雄大)
関西テレビ
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