今年はシャフトの“当たり年”!? 女子ツアーでも大人気な大手3社の新製品を分析! それぞれの特徴と選び方とは?
3社とも最新モデルは中調子系の素直なシャフト
今夏も、各シャフトメーカーから最新シャフトが発売されました。毎年、シャフトは話題になりますが今年の女子ツアーを見ていると、発売前からニューシャフトにチェンジしている選手が、例年よりも多いような印象を受けます。 【写真】安くても飛びついちゃダメ! これがフジクラが公表したベンタスシリーズ模造品の特徴です これには何か理由があるのでしょうか。千葉県八千代市のゴルフフィールズユニオンの店長でクラブに詳しい小倉勇人さんに聞いてみました。
今年のニューシャフトでは、桑木志帆選手が三菱ケミカルの「ディアマナBB」を使って優勝したことが話題となりましたが、フジクラの「スピーダーNXバイオレット」も青木瀬令奈選手、野澤真央選手、阿部未悠選手などが使用し、グラファイトデザイン「ツアーAD GC」も上田桃子選手、宮田成華選手などが使っているようです。 「大手3メーカーの今年の最新シャフトは、どれも中調子系のクセのないモデルなのが人気の理由ではないでしょうか。『ディアマナBB』は、ディアマナシリーズの元祖「青マナ」の系譜に連なるモデルですし、『スピーダーNXバイオレット』は、女子ツアーでも大ヒットした初代『スピーダーNXブルー』の後継モデルという位置づけ。『ツアーAD GC』は、『ツアーAD』シリーズの“ど真ん中”的存在の『ツアーAD PT』の改良版ですので、どれもオーソドックスで、すんなりマッチする人が多いということは推測できます」(小倉店長) もちろんそれぞれに個性はありますが、プレーヤーのフィーリングやヘッドの性能が素直に生きやすいモデルがそろっていると小倉店長はいいます。 それでいて、古いタイプの中調子シャフトと比べると先端側の剛性が高められていて、大型ヘッド、大慣性モーメントヘッドとのマッチングもいいという進化も遂げています。 個性派ではないけれど、素直で扱いやすく、ミート率が上がりやすいシャフト。今年のニューモデルはそんな傾向があるようです。
イメージどおりに「しなる」から芯に当てやすい
こういったクセがないシャフトは、アマチュアにもおすすめだと小倉店長はいいます。 クセがないシャフトというのは、見た目の形や長さから想像できるしなり方に近いしなり方をするということ。「こうしなって、このタイミングで戻って来そう」という直感的なフィーリングどおりに動いてくれるため、「当てやすい」のだそうです。 「あえていうなら『スピーダーNXバイオレット』と『ディアマナBB』は、太い手元側から細い先端側に向けて硬さのグラデーションが均一な釣竿のようなイメージ。『ツアーAD GC』は中央部分が大きめにしなる弓のようなイメージ。どちらもとてもスムーズです。シャフトに悩んでいる人、打点がバラつく人などはミート率アップが期待できるかもしれません」(小倉店長) とくに、突然大きなミスが出る人や、最近大慣性モーメントドライバーに換えて調子がよくない人などは、ぜひこの3モデルは試してみてほしいところ。 「飛ぶ」と噂のシャフトも、芯に当たらなければその性能は発揮できません。「芯に当てやすいシャフト」こそ、アマチュアにとってはいちばん飛ぶシャフトかもしれません。
鈴木康介