「好きなことで失敗しても糧になる」親の言葉に背中押され来年30周年「Candy Stripper」板橋よしえ(49)母になり「自分が着たい服がないと気づいて」
来年で30周年を迎える人気ブランド「Candy Stripper(キャンディストリッパー)」。このブランドを若干19歳で立ち上げたのが、デザイナーの板橋よしえさんです。商品企画からスタッフの指導までこなす多忙な板橋さんのストレス解消法は「育児」なのだそう。(全2回中の2回) 【写真】人気歌手との交流も。「ブランドを30年続けられたのは人との縁のおかげ」という板橋よしえさん(全9枚)
■人前に出るのが苦手。スタッフとのコミュニケーションに苦労も ── 板橋さんは若くしてブランドを立ち上げましたが、令和の若い起業家のように、ご自分が前に出ることはあまりない気がします。
板橋さん:特に意図はしていなかったのですが、自分の話をするのは苦手で。人前に出たりすることも、すごく苦手なんです。 ── 板橋さんご本人の雰囲気と、作品のパワーにはギャップがあるような(笑)。 板橋さん:服作りの原動力は、一番最初は「こういうものが着たい!」「こういうものがあったらいいのに…!」という想いから始まりました。その時々で、自分の中にミューズとなるような方々がいて、「似合うだろうな、着せてみたいな」と想像しながらデザインをしています。「Candy Strippper」のお洋服を身に纏うことで、少しでも元気な気持ちになれたり、いつもよりちょっぴり強い自分になれたり。誰かの毎日に少しでも寄り添うことができるようなお洋服を作り続けることが夢です。
── ブランドのデザイナーとしてだけでなく、全体をみる役割を担っていらっしゃるそうですね。 板橋さん:そうですね。私はデザイナーではあるのですが、ブランド全体をディレクションしているという表現が一番わかりやすいかもしれないです。企画、パタンナー、生産、営業、EC、プレスなど幅広い部署があるのですが、その一つひとつのチームに対して、ブランドのイメージや方向性に関わることのすべてに目を通しています。誰かが思い悩んでいるときには、同じ立場に立ち、具体的なアドバイスをして、円滑に進むように働きかけるようにしています。スタッフのみんなには、自分が今考えていることや方向性を話す機会を常々設けていて。みんなが気持ちをひとつにして進むうえで、大事なことはなるべく自分自身の言葉で伝えるようにしていますね。