なぜ「ちょっと古いクルマ」は心地よい?──クルマとファッションと若者を繋ぐ『Car City Guide(CCG)』で愛車探し。
いま若者に必要なのはクルマにまつわるサービスの充実
──難しい話題になりますが「若い世代」に向けて、どうクルマを訴求すれば良いと思いますか? また、CCGとして今後やっていきたいことを教えてください。 中村 クルマに興味のない人もたくさんいますが、クルマが嫌いというひとはあまりいないと感じています。あると便利ですしね。でも駐車場など、どうしてもお金がかかりそうと考えてしまいます。今の、クルマを持つ事への「大袈裟」な感じを、様々なサービスでハードルが下がれば良いですね。 ──クルマそのものよりも、クルマにまつわるサービスの充実が重要という事ですね。 中村 はい。またCCGとして今後やっていきたことは、まずはクルマで集まれるイベントを開催したいのですが、究極としては宿泊施設を作って、“移動体験”ごと作りたいです。おすすめのクルマで、こういうルートで、ここに泊まって……というガイドですね。CCGの活動の延長線上にある夢です。 「若者のクルマ離れ」と言われて、すでに10年以上経っているでしょうか? 私がメーカーのカーデザイナーだった時は、Z世代の調査は行うものの、どこか訴求を諦めている風潮がありました。しかし今回の取材を通じて、若い世代にもまだまだクルマを訴求できる余地があること、また、そのカギはクルマにまつわる「サービスの充実」だと感じました。 また「新車は好きだけど手がでない」という感覚は、私のような40代後半世代も、若い頃はまさに同じだったと思います。ボロボロの中古でもいいからとにかくクルマを手に入れて楽しみたい、という感性が意外と変わっていない、懐かしい想いもしました。 3人の、落ち着いた人柄の中にも夢が溢れる姿を見て、これからの自動車文化にも期待が持てそうです。 ■INFORMATION Car City Guide(CCG) https://www.carcityguide.info/ @car_city_guide ■HIIKI 東京都世田谷区上用賀1-7-16 13:00-19:00(不定休) 元カーデザイナー 【渕野健太郎/Kentaro FUCHINO】 20年選手だったカーデザイナーを「体力の限界」ということで現役引退。選手時代は「自称」エース格として様々な試合に投入され、結果を出してきた(と思う)。引退後は監督やコーチにはならず、チームを離れセカンドキャリアを選択。これまで育ててくれた自動車業界への恩返しとして、自動車の訴求活動を行う。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業。
文= 渕野健太郎 写真= 河野マルオ