岡本多緒(TAO)トップモデルからハリウッド映画のヒロインに「憧れのヒュー・ジャックマンに会いたくて」
■ハリウッド映画のヒロインで俳優デビュー
劇中、アクションシーンもあるため、トレーニングに加え、食事も管理されていたという。 「毎日2、3時間くらいトレーニングがあって、しかも朝から夜までのすべての食事が、朝イチに山のように届くんです。タンパク質と野菜と…みたいな。それがからだづくり用なので、量もすごい上に美味しくなくて(笑)。1週間か2週間ぐらいで限界が来ました」 ――初めてのお芝居がハリウッド大作のヒロインというのはすごいですね 「ことの重大さがわかっていなかったので、萎縮せずに淡々と割り振られたことをやるという感じで。でも、すごくあったかい現場で居心地が良かったです。 ただ、初めての現場の規模が大きすぎたので『これからダウンヒルだよ。どこに行ってもこんなにいい思いはできないよ』みたいな忠告ももらいました(笑)。 オーストラリアに行く直前にはさすがに『どうしよう?どうしよう?』と、ちょっとジタバタしてきて。演技のレッスンをしっかり受けたほうが良いのか尋ねたんですが、監督には、『そのまま来てほしいから、変なところに行かないでほしい』と言われたので、その言葉に甘んじて『私はそのまままでいいんだ』と落ち着きました(笑)。 ただ、さすがに初日にスタジオに入った時には、急に膝が震え始めちゃって…。真理子の登場シーンからの撮影だったんですが、その時、父親役の真田(広之)さんもいらっしゃって。 真田さんに『どうしましょう?すっごい緊張しています』と打ち明けたら、『おー、いいね。緊張しなくなったらもうここには来なくていいから。緊張しているのは良いことなんだよ』って、すごく温かく励ましてもらったのを覚えています」 ――撮影現場でのヒュー・ジャックマンはどんな感じでした? 「やさしいお兄ちゃんみたいな感じで、食事をするシーンでは、『このセリフでどれに手を付けたか、覚えておいた方がいいよ』とか、初歩的なこともたくさん教えていただきました。常にキャストとスタッフみんなに気を配ってくれていましたね」 ――彼はスタッフの皆さんに宝くじをプレゼントしていたそうですね 「はい。宝くじを毎週金曜日に何百枚も買って、スタッフの一人一人に自分で手渡ししていました。彼が初めて出演した映画の撮影が終わった時、一度も話したことがないスタッフがたくさんいたのがショックだったそうです。 それで、全員とコミュニケーションをとるきっかけとして宝くじをプレゼントすることにしたそうなんですが、それをずっと続けているというのがすごいですよね。本当にすばらしい人だなって。俳優として参加した初めての作品があの現場で、本当に幸運だったなあと思います」 映画が公開され話題を集めた多緒さんは、モデル活動に加え俳優としてもドラマ、映画に出演することに。真田広之さんと再共演した海外ドラマ「ウエストワールド」、「血の轍」(WOWOW)、映画「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」など出演作が続いていく。次回はその撮影エピソードなども紹介。(津島令子) ※岡本多緒プロフィル 1985年5月22日生まれ。千葉県出身。14歳でモデルデビュー。2006年から「TAO」名義でパリ・ミラノ・ロンドン・ニューヨークと数々のトップメゾンのショー、雑誌、ワールドキャンペーン広告に多数出演。「ハンニバル」シーズン3(NBC)、「マンハント」(ジョン・ウー監督)などに出演。2023年に「岡本多緒」として日本を拠点に活動をはじめ、「ラストマンー全盲の捜査官―」(TBS系)、映画「沈黙の艦隊」(吉野耕平監督)に出演。さらに、自身で初めて企画・監督・脚本・出演をつとめた短編映画「サン・アンド・ムーン」が、第36回東京国際映画祭Amazon Prime Videoテイクワン賞のファイナリスト作品に選出されるなど多方面で活躍中。 スタイリスト:Eriko Iida(CORAZON) 衣装協力:ピアス、ネックレス、リング/CASUCA(カスカ)
テレビ朝日