「営業利益5兆円のトヨタ」と「前年比55%のエステー」…円安で明暗分かれる24年3月期決算──注目は日銀6月の金融政策決定会合
「あとは家具大手のニトリホールディングス。こちらも輸入が多くて、円安の影響を大きく受けたということです。ニトリに関しては前期まで36期連続で続いていた増収増益の記録が途切れたというのが、驚きました」 渡邊キャップ 「だから結局、明暗を分けたのは為替という結論になりますかね」
■この水準の円安がいつまで続くのか…業績好調の企業も「急激な為替の変動は好ましくない」
渡邊キャップ 「25年3月期の業績予想も各社出しましたが、私の印象としては、24年3月期にこれだけ業績が好調だったにもかかわらず、結構保守的な見通しを出しているなと思ったんですけど」 城間記者 「企業もさすがにこの歴史的円安がずっとは続かないだろうという印象を持っています。円安の恩恵を受けた自動車メーカーとか総合商社からも『急激な為替の変動は好ましくない』といった声があがっています。というのも、大企業というのは海外との取引額も大きいので、為替が1円動くだけでかなり影響が大きいと。仕入れとか商品開発の見直しなどのリスクも高いんですね。この水準の円安がいつまで続くのかっていうところはありますよね」
渡邊キャップ 「ゴールデンウイークにあった2回の為替介入とみられる動き。実は比較的うまくいったんじゃないかという評価もあるんです」 「4月29日にまず1ドル=160円に到達してしまったところで一回目やりましたと。これで160円というラインを投機筋に意識させたという見方があります。そして日本時間でいうと2日に2度目の介入とみられる動き。この2回で一方的な円安進行に歯止めをかけていたところで、今月15日に発表されたアメリカのCPI=消費者物価指数が前年同月比で3.4%の上昇と、ようやく市場の予想通りになりました。しかも前月比でいうと0.3%の上昇ということで、市場予想を下回ったんです。そこでようやくドル円相場が一時1ドル=153円台まで上昇してきました」 城間記者 「結果的にアメリカの経済指標に救われたところもあるんですかね」