お墓を建てたいのですが、一人娘に負担をかけたくありません。亡くなった後の対応としてなにかよい方法はないのでしょうか?
最近では、核家族化が進み「年老いた親は地方に暮らし、子どもたちの世帯は人口の多い街で暮らす」というケースが多くなっています。 そこで問題になっているのが、実家が空き家になることや、先祖代々の墓の管理です。今回は特に墓の管理や納骨について、どんな方法があるのか考えてみました。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
遺族に負担をかけたくない
本家に住んでいる人の多くは、先祖代々の墓があるでしょう。しかし最近では、「実家や墓がある故郷を離れて生活しているために、実家や墓の管理が重荷になっている」という方々の話も耳にするようになりました。 また、分家した場合は新たに墓を建てる風習も残っていますが、だんだんとこの風習も過去のものになっているのか、没後のことについても多様化が進んでいるようです。 今回の相談者は、「そろそろ年齢も高くなり、娘に負担もかけないように、自分が死んだ後の墓をどうするか……」と考えていました。
墓じまいは増えている
最近の日本では「実家を離れて暮らす子どもが、墓を管理することに負担を感じ、墓じまいする」という話も聞きます。 厚生労働省が調査している「衛生行政報告例」を見てみると、2023年度における改葬件数(事実上の墓じまい)は、16万6886件となっています。10年前の2013年度は8万8397件で、10年で2倍近くになっています。 墓がない場合は、新たに墓を建てて納骨する方法もありますが、墓じまいが増えている現状を考えると、他の方法も考える必要が出てきているのかもしれません。 実家の近くに住んでいる場合は、墓の管理もそれほど苦にはならないでしょう。しかし、遠く離れている場所に住んでいる場合はお盆に墓参りに行くだけではなく、墓の掃除などの負担がのしかかってきます。
納骨の方法も多様化が進む
近年は年々、墓じまいが増えている状況ですが、自分の親が亡くなった後にまったく供養をしなくなったわけではなく、供養の形も多様化してきています。 例えば、自分や先祖が建てた墓に埋葬するのではなく、寺院や霊園に遺骨を管理してもらえるよう、永代供養や納骨堂を選ぶ人も増えているようです。また、樹木の下に埋葬する樹木葬をしたり、海に散骨をしたりするという人もいます。 さらに火葬した後は、骨つぼをそのまま自宅で供養する手元供養や、遺骨を人工ダイヤモンドにする方法もあります。そもそも火葬場で火葬した後に、火葬場から遺骨を持ち帰らないというケースもあるようです。 今回の相談者は「一人娘に迷惑をかけたくない」と初期費用を負担するつもりでしたが、初期費用以外も考えなくてはいけません。