電動キックボードのLuup、外国人観光客や地方部がターゲットの新サービス開始
電動キックボードなどのシェアリングサービスを手掛けるLuup(ループ、岡井大輝社長、東京都千代田区)は、観光客や地域住民をターゲットにした新サービス「ループforコミュニティ」を20日から始めたと発表した。公共交通機関が衰退する地方や訪日客の急増に悩む観光地などを中心に、数年以内に全国展開を目指す。今後は利用者を増やすため三輪・四輪の小型モビリティの導入も目指す。 同社は現在、東京都や大阪府など10都市で事業を展開し、車両を留め置く「ポート」は約8100カ所ある。これまでは都市部でのサービスが中心だったが、人口減少や観光客の急増に悩む自治体などからの問い合わせも同社に多く寄せられていた。 このため、昨年7月の道路交通法改正で電動キックボードが「特定小型原動機付自転車」と位置付けられたことを契機に全国21カ所で自治体などと実証していた。都市部でのサービスのノウハウと合わせ、地域交通の課題解決につながる手応えを得たことからサービス開始に至った。導入する自治体や企業などは導入費と充電などの対応が必要だが、車体のメンテナンスや事故対応などはループが担う。24時間体制の電話サポートも行う。現在は電動キックボードと電動アシスト自転車の2車種にとどまるが、今後は三輪・四輪のモビリティ導入も視野に入れる。 岡井社長は「公共交通をつくる会社にしたい。都市部だけでなく、(人口減少といった)日本の課題に向き合いながら、持続的に採算が合う運営をすることが重要だ」と話し、都市部でのサービスノウハウを生かした地方展開への手応えを話した。まずは次世代型路面電車「LRT」が走る栃木県芳賀町など13カ所でサービスを展開していく。 (2024/6/21 修正)