四半期初の営業益1000億円、ルネサスの快進撃は続くか
ルネサスの工場ではフル稼働が続く(記者撮影)
ルネサスの収益力がかつてないほど高まっている。 半導体大手のルネサスエレクトロニクス(6723)は4月27日、2022年12月期第1四半期(2022年1~3月)の決算を発表した。売上高が3466億9600万円(前年同期比70.2%増)、営業利益が1000億7700万円(前年同期比3.3倍)となり、ルネサス史上初めて四半期で1000億円の営業利益をたたき出す結果となった。 2010年にNECエレクトロニクスが合流して現在の形になってから初めてとなる株主還元も発表した。筆頭株主のINCJ(旧産業革新機構)から発行済み株式数の8.6%にあたる約1億6800万株、2000億円を上限に自己株買いを行う。ほかの株主にとってはEPS(1株当たり利益)が約10%増加することになるプラス材料だ。 自己株買いが予定通り進めば、最大時で69.1%のルネサス株を保有し、足元では20.1%の筆頭株主であるINCJの出資比率は約13%まで低下する。ルネサスが「国策企業」から完全に卒業する日が近づいていることを意味する。 2014年3月期まで9期連続の最終赤字と苦しみ、わずか3年前の2019年12月期にも59億円の最終赤字に陥っていたルネサス。短期間でこれほど高収益体質に生まれ変わったのはなぜなのか。
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佐々木 亮祐