半導体の地殻変動にみる「エヌビディア躍進」が続く理由
エヌビディアを半導体世界1位に育てあげたジェンスン・フアンCEO(左)。半導体市場の最新動向を読み解くと、同社の成長がまだまだ続きそうな理由がみえてくる(写真:ブルームバーグ)
先端半導体の生産に必要なEUV(極端紫外線)露光装置の独占企業であるASMLホールディング( ASML )の2024年7~9月期決算は、EUV露光装置の検収が進んだため売上高74.67億ユーロ(前年同期比11.9%増)、営業利益24.41億ユーロ(同11.9%増)と堅調だった。2024年10~12月期は1台500億円以上する次世代EUV露光装置(高NA機)が1台検収される見込みであることもあり、会社予想のレンジ平均値は売上高90億ユーロ(同24.4%増)、営業利益30億6500万ユーロ(同28.1%増)である(最新の ユーロ円相場 、 ドル円相場 はこちらです)。 ところが全社受注高は、2024年4~6月期の55億6700万ユーロが2024年7~9月期は26億3300万ユーロへと半減した。このうちEUV露光装置の受注高は、2024年4~6月期の25億ユーロが2024年7~9月期は14億ユーロへと減少した。2社以上の顧客が発注を延期した模様である。EUV露光装置のユーザーはTSMC( TSM )、サムスン電子、インテル( INTC )、SKハイニックス、マイクロン・テクノロジー( MU )の5社だ。おそらく、TSMC、サムスン電子、インテルのうち2~3社が発注を延期したと思われる。
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今中 能夫