聞きにくいけど、待ったなし!今すぐ親と話すべき8つのこと。
6.認知症
親が認知症になり、財産に関してこんなに制限が出るとあとから知った。 親が認知症になると、認知能力がないと見なされるので、基本的にすべての契約ができなくなってしまう。 「銀行口座を移すこともできなくなりますが、いちばん問題になるのが、不動産の売買ができなくなることです」。認知症になってから不動産の売買をしたい場合は、法定後見人をつけるしかない。法定後見人は裁判所が選ぶのだが、弁護士や司法書士などの専門職か市民後見人が選任されることが多く、親族が法定後見人になれるケースは少ない。 「不動産の売却が終わり法定後見人がいらなくなっても、親が亡くなるまで解任できないのが問題です。例えば、法定後見人に月3万円、監督人に月1万5000円払っていたら、それをずっと払い続けないといけない。そればかりか、親のお金を家族が自由に使えなくなってしまいます。そうならないためには、認知症になって動かせなくなると困る財産については、事前に家族信託をしておくのがいいでしょう」。 家族信託とは、親が認知症になった場合に、不動産や金融商品の管理、処分などを家族に任せる契約のこと。相続対策が必要な場合は、相続対策をした後で家族信託をするのがポイントだ。
7.施設と実家
親が施設へ。実家の空き家化など、問題が山積。 親が施設に入居して、戻ってくる見込みがなく、その後実家が空き家になる可能性が高い場合は、売却する選択肢もある。 「親が亡くなる前に売って現金にしてしまうと、相続財産が現金評価になり、相続税が高くなってしまうことも。法定相続人になる子どもの中に自分やその配偶者が家を持っていない人がいる場合は、小規模宅地の特例が使えるので、家の相続評価を80%下げられ、相続財産を減らせます。相続税がかかりそうな場合は、実家のまま相続することを検討しましょう」 実家のまま相続したが、結局誰も住まず空き家になってしまうこともよくある。 「子どもたちが実家のそばに住んでいなくて、なかなか手入れもできなくて放置していると、『特定空き家』に認定される可能性があります」。 特定空き家に認定されると、固定資産税の軽減措置がなくなるので、固定資産税が6倍になってしまうこともある。持っているだけで実家の維持費がかさんでしまうので、早めに売却することを考えよう。 「きょうだいがいる場合は、誰が実家の処分についてのリーダーになるかを親が生前に決めておいたほうがスムーズです」