聞きにくいけど、待ったなし!今すぐ親と話すべき8つのこと。
4.贈与問題
きょうだい間の贈与格差が発覚。腹立たしい思いに。 親がきょうだいの中の1人に教育費やマイホーム資金の贈与をしている場合、贈与を受けていないほかのきょうだいにはどうするのかということが問題になる場合がある。 「格差を埋めないとトラブルになりそうな場合は、ほかのきょうだいにも同程度の贈与をしてもらうか、贈与を受けていないきょうだいに多めに相続させるように親に遺言書を書いておいてもらうかのどちらかを検討してください」。 ただし、2024年から贈与税の暦年贈与の持ち戻しの期間が、3年から7年に段階的に延びて、2031年以降は、亡くなる前の7年間に行った贈与は、相続財産に持ち戻される制度になる。贈与を行う場合は、早めの対策を。遺言書で調整する場合は、法律上最低限保証されている遺留分を侵さない範囲で、相続財産の配分を是正できるのか考えてみよう。 「贈与を受けた子どもが、『相続のときにはほかのきょうだいに多めにあげてもいいよ』と言うのがいちばんいいのですが、そうならない場合は、贈与を受けていない子どもが親に『遺言書に書いておいてほしい』と言うべきですね」。 遺言書は、自分で書いた自筆証書遺言書を法務局で預かってくれる「自筆証書遺言書保管制度」を利用するのがおすすめ。
5.介護費用
介護費用の管理に関して、家族間での意識の違いに困っている。 例えば、妹が親の介護を担っている場合、親の口座からお金をおろして使っているのが妹だとすると、その使い方が適正なのかどうか、ほかのきょうだいは知ることができない。 「親の介護を任せている負い目があるのと、介護をしていない側は、している側から『介護をしていないのだから、その分お金を出して』と言われるのが怖くて、お金のことは聞けないという心理があります。 でも、介護をしているほうは絶対的に不公平感を持っているので、そこは聞くしかないと思います。『お金を出して』と言われたら、出せる範囲で出すしかないでしょう。 親の生活や医療、介護などにかかるお金は、親が持っているお金で払うのが原則です。親の口座のお金の動きが心配な場合は、親が認知症でなければ、ネットで管理できる金融機関の口座に移すのがおすすめです。そうして、ネット上できょうだいみんなが口座のお金の動きをチェックできるようにしたほうがいいでしょう」。 お金については話しにくい面があるかもしれないが、親のお金がなくなってしまってからでは遅い。きょうだい間で早めに話し合っておくようにしたい。