聞きにくいけど、待ったなし!今すぐ親と話すべき8つのこと。
2.急な相続
親に借金があった。急な相続で放棄するかどうかのジャッジができず……。 「親が亡くなったあとに借金があったとわかると、すぐに相続放棄を選択してしまう人がいますが、ちょっと待って」と、畠中さん。 相続には、「資産も借金もとにかく全部相続する」という単純承認と、「資産も借金もすべて放棄する」という相続放棄がある。そして、その間に「プラスでもらった相続財産の範囲内でマイナスの財産(借金)も相続する」という限定承認という方法があることを知っておきたい。 「つまり、マイナスのほうが多くならないように相続する方法です。借金が多ければ相続できる財産はゼロになり、プラスの財産のほうが多ければその差額は相続できます。実際に相続財産を精査してみたら、プラスの財産のほうが多いこともあるので、財産の内容がわからない場合は、限定承認を選んだほうがいいでしょう」 ただし限定承認を選ぶ場合は、相続発生から3カ月以内に手続き、しかも相続人全員での申請が必要になる。 もし借金があるとわかっているなら、どう対応するのか、生前に親と話をしておくのが望ましい。子どもが親に代わって返済する場合、名義変更などが必要で、手続きが面倒になるからだ。
3.延命治療
親が意識不明。家族間の意見が割れ、親の延命治療が高額になってしまった。 病気や延命治療の方針などについては、親が元気なうちに意思確認をしておきたい。 「エンディングノートなどにも記入する欄がありますが、身元保証会社の『NPO法人りすシステム』の生前契約の中の『医療上の判断に関する事前意思表示書』はわかりやすく、参考になります。」 病気の診断告知を希望するかどうか、終末期における治療・療養の希望(どこでどんなケアを受けたいのか)、口から食事をとれなくなったときの栄養補給についての希望(鼻やおなかに管を通して栄養をとりたいか、口からとれるものだけでいいのか)、延命処置、植物状態になった場合の治療、臓器移植が必要になったとき、臓器提供に関してなど、各ケースで自分が受けたい医療の範囲を親に示しておいてもらうことが必要だ。 「このようなシートを参考にしながら、現状での希望を家族が聞いておくことが大切です」 もしも本人が意識のない状態になった場合には、治療方針をめぐって家族間の意見が分かれることも出てくる。本人の意思がある程度わかっていたほうが、家族も判断しやすくなるため、事前に意思表示してもらっておくことが大事になる。