スカイマーク、為替差損で純損失5.9億円 通期予想は最終益42億円=24年4-9月期
スカイマーク(SKY/BC、9204)の2024年4-9月期(25年3月期第2四半期)決算は、純損益が5億9000万円の赤字(前年同期は33億1800万円の黒字)だった。売上高にあたる事業収益が6四半期連続で各四半期の過去最高を更新したものの、円安や燃油高で営業費用が増加したことや、為替差損約22億円を営業外費用として計上したことなどで最終赤字となった。2025年3月期通期の業績予想は据え置き、最終損益は42億円の黒字を見込む。 【写真】スカイマークが導入予定の737-10試験機のコックピットや客室 原油高などに伴い、競合他社と同様に単価が上昇しているが、スカイマークの本橋学社長は「期待値に沿ったサービスを提供している」と、顧客満足度3年連続1位など運航品質の向上により、他社を下回る形で単価が上昇する現状であれば、優位性を維持できているとの考えを示した。 4-9月期は、事業収益が4.7%増の544億8800万円、営業利益が26.9%減の23億2400万円、経常利益は98.4%減の9500万円と、増収減益だった。 事業収益は同期で過去最高を更新したが、円安と原油高によるコスト増で営業費用が膨らんだほか、新機材ボーイング737 MAXのメーカーへの毎払い金など外貨建資産の評価替えにより、22億5200万円の為替差損を営業外費用として計上したことなどが減益要因となった。 営業費用は6.8%増の521億6300万円。このうち、事業費は6.2%増の487億3100万円だった。燃油費の上昇や円安、システム関連費用や空港関連業務委託費などの増加が影響した。 ロードファクター(座席利用率)は1.1ポイント上昇し83.7%で、有償旅客数は4.5%増の414万9627人で、提供座席数が3.1%増の502万6800席だった。イールドは0.1%増の12.1円、単価は0.2%増の1万2774円となった。 ヘッジ後の為替レートは燃料費分が1米ドル155.2円、外貨取引分が同140.3米ドル、原油価格は1バレル77.7米ドルだった。 スカイマークの本橋学社長によると、旅行需要に大きな変化はなく、同社の主力であるレジャーやVFR(友人親族訪問)需要が好調。「コロナ前から単価が上げられている」として、国内最大級の顧客満足度調査「2024年度版JCSI(日本版顧客満足度指数)調査」のうち、国内線を運航する航空会社8社を対象とした国内航空部門で1位を3年連続獲得するなど、費用増と品質向上が伴っていると説明した。 単価上昇について、本橋社長は「各航空会社が大なり小なり置かれた状況で、原油高に苦しんでいる。(新機材導入など)脱炭素への投資もあり、一定程度の利益がないとサステナブル(持続的)じゃない。第2四半期を見ると、当社と他社の単価の差が十分あり、片道で3000円くらい。往復6000円、家族で2.4万円のアドバンテージがある。期待値に沿ったサービスを提供している」と、他社と比べ、家族旅行などで価格の優位性と品質向上を訴求できるとした。
Tadayuki YOSHIKAWA