楽曲の依頼から衣装制作、ライブのブッキングまで全て自分で。80年代アイドルをリスペクトする完全フリーランスソロアイドル「文坂(あやさか)なの」とは何者か!?
文坂 そこはもう、本当にこだわりました。喫茶さんには、まず「コールを入れない楽曲にしてほしい」と伝えていたんです。喫茶さんに限らず、アイドルへの楽曲提供となると、こちらからオーダーせずともライブで盛り上がることを想定して、コールを入れやすい尺の間奏を作ってくださる方が多いんですよ。ただ、私の理想は昭和のアイドル歌謡曲。間奏でコールを煽(あお)るのは、少しイメージと違いました。 こうした楽曲のオーダーは喫茶さんも初めてだったと、のちにお聞きしました。デモをいただいたとき、最高すぎて一日中聴いていました。この曲があれば、文坂なのは大丈夫だって、すぐに確信しましたね。 ――当時、TBSラジオ『アトロク』でも紹介されました。幸先の良いファーストになりましたね。 文坂 実際、アトロクで私を知ってライブに来てくださった方もスゴく多いんです。本当にありがたいです! ■80年代の隠れた名曲をカバー ――10月23日に発売されたニューEP『I am AYASAKA』についても聞かせてください。 文坂 収録曲はevening cinemaの原田夏樹さん提供の「真夏のリュミエール」、LASTorderさん提供の「私以外の王子様」、そして今年8月にGOOD BYE APRILさんの「missing summer」という楽曲をカバーさせてもらったんですけど、ボーカルの倉品翔さんに作っていただいた「俯(うつむ)かないで」、それから先ほどもお話しした佐々木喫茶さん提供「AYASAKA」の計4曲です。様々なご縁で繋がった素敵なクリエイターさんたちに楽曲提供いただき完成したEP。われながら、最高の仕上がりです。 ――今年1月に初のオリジナルアルバム『だけど、わたし、アイドル』をリリースされたわけですけど、次作となるニューEPで「I am AYASAKA(私は文坂です)」と堂々宣言。改名から約4年間、昭和と令和を股にかけ駆け抜けた文坂さんの"第二章幕開け"を感じるタイトルだと感じました。 文坂 ありがとうございます。実際に、これまでの文坂らしさを見せつつ新しい文坂にも挑戦していくのが、今回のEPのテーマでもあって。なかでも喫茶さんに書いていただいた「AYASAKA」は、文坂史上最もアイドルらしいノリの良い楽曲と言っても過言ではないんです。 ※MVの画面比率はこだわりの4:3。昔のアニメのOPを見ているような気分になる ――「ナノナノナノ かもかもかも」と繰り返す中毒性の高いサビパートに、「『ぶん』でも無くって 『もん』でも無くって 『ふみ』でも無くって」と"文坂の読み間違え"をネタにした歌詞もキャッチーで。一度聴くだけで耳に残る、かわいらしい楽曲でした。 文坂 素敵な楽曲ですよね! 実はこれ、喫茶さんのほうから「今までにないくらい、明るい楽曲にしていいですか?」と提案していただいたんです。普段は私からイメージをオーダーしているのですが、今回は喫茶さんのアイデアに身を委ねてみることにしました。 おっしゃる通り、曲中にたくさん私の名前が出てくるんですが、私からそのようなオーダーをしたことは一度もないというか。このタイミングで私の名前を歌詞に活かした新しい曲調の楽曲をくださったことに、喫茶さんの愛をひしひしと感じました。これまではムードのある楽曲がメインだったので、新しい扉を開いてくれた喫茶さんには感謝しかありません! ――来年1月には80年代アイドルソングのカバーアルバムも発売予定です。先日、無事にクラウドファンディングが終了。完成が楽しみです。