楽曲の依頼から衣装制作、ライブのブッキングまで全て自分で。80年代アイドルをリスペクトする完全フリーランスソロアイドル「文坂(あやさか)なの」とは何者か!?
文坂 と思っていたのですが、オーナーさんに「来月もお願いします」と言われ、再びステージに立てることに。その翌月のライブを観に来ていたイベンターさんにお声がけいただき、また別のイベントにも立つようになり、少しずつ活動の幅が広がっていきました。自分でも理解が追いつかないくらい、恵まれたスタートラインでした。今振り返っても、運が良かったとしか言いようがないです。 ■デビュー曲『愛わずらい』に詰まった、文坂なのの世界 ――活動が本格化した2016年当時は"エスパーなのたん"として。2020年に現在の"文坂なの"名義に改名されます。何か理由があって? 文坂 エスパー時代は、特にコンセプトがなくて。オリジナル曲含め、ジャンル問わず幅広く歌っていたのですが、場数を踏んでいくにあたり、改めて自分をプロデュースしなくては、と思うようになったんです。2020年、「昭和と令和を股にかける懐かしくも新しいアイドル」をコンセプトに掲げ再スタートし、今に至ります。心機一転したものの、ちょうどコロナが流行り始めた時期で。思うようにいかないことが多く、大変でしたね。 ――ライブを主体とした活動をされていたわけですもんね。 文坂 改名を発表した直後に緊急事態宣言が出て、予定していたワンマンも中止に。お先真っ暗でしたよ。それでも、再スタートとしてシングルを出すことは決めていたので、配信で無観客ライブをやったり、ツイキャスでオンラインチェキ会を開いたりして、コツコツ制作費を貯めました。 ――そして2021年1月、文坂なの名義として初のシングル『愛わずらい』が発売されるわけですね。作詞・曲は、アイドル界隈で人気の佐々木喫茶さん。掲げているコンセプトの通り、どこか懐かしい、だけど新しい感じがするポップな楽曲です。 文坂 もともと喫茶さんの作る楽曲が大好きだったので、再スタートとなるファーストシングルは絶対に喫茶さんにお願いしたいと思っていました。全くの初対面ながら、「初めまして、フリーランスアイドルの文坂なのと申します」と、とにかく失礼がないよう何度も文面を読み返してご依頼のメールを送った記憶があります。 ――ファーストの時点で、文坂なのとして徹底したい世界観がハッキリ伝わるクオリティの楽曲が仕上がっていると感じました。