楽曲の依頼から衣装制作、ライブのブッキングまで全て自分で。80年代アイドルをリスペクトする完全フリーランスソロアイドル「文坂(あやさか)なの」とは何者か!?
文坂 フリーランスしかアイドルになれる道がなかったからですね。本格的に「アイドルになりたい」と思い始めた高校生の頃、メジャーなアイドルさんのオーディションを片っ端から受けたのですが、全然ダメで。その後、勢いで飛び込んだ大阪の地下アイドルの世界でいえば、事務所に所属しているコのほうが少ないくらいで、フリーランスアイドルは特に珍しい存在でもなかったんですよね。普通の感覚でした。 ――そうだったんですね。では改めて、文坂なのとして活動を始めた経緯を教えてください。やはり、もともとアイドルがお好きだった? 文坂 はい。中学1年生の頃、人間関係がうまくいかず学校に行けなくなったときに、心の拠り所となってくれたのが80年代のアイドルソングだったんです。家に引きこもり、インターネットで知らない時代の音楽にアクセスする日々。すぐ、のめり込みました。 ――世代的にアイドル=AKB48ですよね。どうして80年代アイドルだったんでしょう? 文坂 AKB48さんの楽曲もよく聴いていました。どうして、なんだろう。いろいろ聞いた結果、深く心に刺さるのは中森明菜さんをはじめとする80年代のアイドルソングだったんですよね。親の影響? とよく聞かれますが、そうでもないです。本当、運命みたいなものだと思います。 ――にもかかわらず、高校生の頃にメジャーアイドルのオーディションを受けたのは? 文坂 当時はテレビに出ているアイドルさんしか知らなかったんです。地下アイドルの存在を知ったのは、アルバイトしていたコンカフェで地下アイドルをやっているコと出会ったのがきっかけ。実際にライブを観に行かせてもらい「ここでなら私も夢を叶えられるかもしれない」と、その場でオーナーさんに直談判。急遽、来月のライブに出させていただくことが決まり、ソロアイドルとしての人生が始まります。 ――いきなりの展開! まだアイドル活動も何もされていない時期ですよね? 直談判する勇気もスゴいです。 文坂 どうしても出てみたかったので、言うだけ言ってみるか! という感じでした(笑)。完全にオーナーさんのご厚意です。 ――初ステージの思い出は? 文坂 緊張しすぎてあまり覚えていないんですよね......。15~20分のステージだったと思います。当然ながら自分の持ち歌もなかったので、昭和アイドルさんのカバーを4曲ほど披露しました。終わってから楽屋で大号泣。あー、もう全然ダメだった......って。 ――あまり手応えがなかった。