サッカー大津、全国2冠へ出陣 全国高校サッカー選手権28日開幕
サッカーの高校年代の日本一決定戦、高円宮杯U-18プレミアリーグファイナルが15日、さいたま市の埼玉スタジアムであり、西地区1位の大津高が東地区1位の横浜FCユースを3-0で破り、初の全国タイトルを奪取した。 熊本のスポーツ
大津高は、28日に開幕する第103回全国高校選手権にも熊本県代表として出場。全国屈指の攻撃力と組織的な守備力を武器に「全国2冠」を狙う。(文・野村拓生、野方信助、写真・石本智) 強豪にもまれ成長…プレミアリーグ初制覇の軌跡 大津高は今季、プレミアリーグ西地区でJリーグのユースチームにもまれて一戦ごとに自信をつけ、急成長した。爆発的な攻撃力を備え、高校勢では初めて西地区を制覇。日本一決定戦のファイナルでもその勢いは止まらず、東地区王者の横浜FCユースに3-0と圧勝した。 リーグ開幕戦。昨季2位の神戸ユースとの一戦は、はらはらする展開だった。開始10秒で失点し、途中に退場者を出しながらも2─2と追い付いた。ところが、試合終盤にPKを献上する大ピンチ。これをGK村上葵が殊勲のセーブで防いで引き分けに持ち込んだ。「開幕初戦で勝ち点1を奪ったことが大きく、その後につながった」と山城朋大監督。
第4節で神村学園高(鹿児島)に3-1で快勝すると、強豪の静岡学園高も8-1で下し、破竹の10連勝を達成した。いずれも複数得点で、積み上げたゴール数は10試合で「41」。すさまじい破壊力だった。 1~2年時から主力として経験を積んだ選手たちが軸となって、連係も深まった。「序盤で実力以上の勝ち点を取れた」と山城監督。結果が出たことで、選手たちは手応えをつかんだ。 前期11試合は9勝1分け1敗の勝ち点28。2位に大差をつけて首位をひた走った。開幕前は「残留すること」(MF嶋本悠大)がチームの目標だったが、後半戦前には「西地区制覇」に上方修正した。 ただ、後半戦に入ると、相手から戦い方を分析され、徹底的に対策を練られた。苦戦する試合も増えたが、攻撃のバリエーションを増やして結果を出し続けた。 10月26日。勝ち点7差で大津高の背中を追っていた2位神戸ユースとの直接対決が、地区優勝の行方を左右する大一番となった。「普段は最後まで走りきる主力が続々と足をつるほど厳しい戦いだった」(山城監督)という死闘。大津高はエースFW山下景司の得点などで5─0と大勝し、地区優勝の道が大きく開けた。