遅刻しても謝らない、些細なことで激怒、相談なしで単独行動…もしかして?ADHDの特徴と“簡単すぎる”対処法とは
● ストレスがかかると すぐにイライラしてしまう いっしょにいる家族はいつもイライラして怒っている姿を見て、嫌な気分になってしまいます。ちょっとしたことでも怒るので、その人を怒らせないように周りはピリピリしたりおどおどしたり。せっかく楽しみのために出かけても、楽しむどころではありません。 さらに家族の心身の健康にも影響をおよぼすのです。子どもは自己肯定感が低くなったり、常に不安にかられたり、大人になっても心の悩みを抱えたりする人もいます。 ▼Fさん(57歳・男性)の場合 交通渋滞や、興味のない買い物につきあうのは、誰でも多少ストレスを感じるものですが、ADHDの人は定型発達の人の何倍も強くイライラしてしまうのです。 またささいなことで「そこまで怒る?」と周りの人が引くほど感情的になってしまうのは、脳の司令塔である「前頭前野」などがうまく働かないせい。 定型発達の人は「ここは黙ってがまんしたほうが得」「怒ってもしょうがない」などと、理性的な考えが働いて自分を抑えることができますが、ADHDの人はその機能がうまく働かず、刺激に即座に反応してしまうのです。 また、イライラすると血管内にストレス物質が流れますから、長い目で見ると健康面でも損。イライラしないほうがトータルで自分の得ということを、ぜひ覚えておいてほしいです。
● ムカつくことは トイレにジャーッと流す 腹を立てそうになったら自分にかけてあげる言葉を用意してみましょう。例えば「たいしたことじゃない」「イライラしない自分はかっこいいぞ」「こんなのはよくあることだ」「大人はこんなことでは動じない」などなど。自分に響く魔法の言葉をいくつか用意しておきましょう。 また、「推し」やペットの写真など、気持ちが落ち着くものを見るのもおすすめ。オフィスだと休憩室に行ってコーヒーを飲んだり、自宅でなら近所に散歩に出たり、その場を離れるのも効果的です。 それでもムカムカが収まらないときの方法を1つお教えします。目をつぶって頭の中にトイレをイメージし、そこにムカつくことを投げ込み、勢いよくジャーッと流すシーンを想像するのです。水といっしょにきれいさっぱり!……とまではいかなくても、不思議とイライラが減っていることを感じられると思います。
司馬理英子